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「大好きな銭湯がなくなる」     堺市・神石温泉 半世紀の歴史に幕  最終日は3月15日

「大好きな銭湯がなくなる。とても悲しい」
友人に誘われて、半世紀以上にわたる歴史を閉じる堺市堺区の神石温泉に行ってきました。
営業の最終日は、3月15日。

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ゆったり、ゆっくり、じっくり。
初めてのお湯に気持ちよくつかって、くつろぎのひとときを過ごしました。
まきを燃やしたお風呂のお湯はやわらかく、体がとても温まる。
そのことを実感しました。

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夫婦2人で年中無休の営業を続けてきた村田幸造さん。
「油は高い。燃料の調達には苦労した」
「そんなに悲しくは……」
「そう思わな、やめられへん」
神石温泉を閉じる理由を尋ねると、自分に言い聞かせるように話していました。

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コロナ禍は関係ない。そう言っていました。
ボイラー室など設備の老朽化が決断の理由だそうです。
昭和の建築物で耐震強度も不足しています。
最近のお客さんの人数は、1日40~50人程度。
最盛期の3分の1か、4分の1ほどだったそうです。

「銭湯は、ふれあいの場」
お客さんとのコミュニケーションを楽しんできました。
それが長く続いた秘訣のようです。

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広さ約80坪。銭湯としては、中規模だったそうです。
営業前に神石温泉を訪れ、番台にも座らせてもらいました。
番台の中は、こんな風になっているのか。
その高さと狭さに驚きました。

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ボイラー室も見せてもらいました。
お湯を沸かすまきの炎を見ているだけでも飽きません。
心が癒やされるような気分に浸りました。
まきを保管するスペースも広くありません。
2日に1回は、夜の営業が終わってから、軽トラックで廃材を積み込んでくるそうです。
「体力が要る仕事やな」。そんな風に説明していました。

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案内してくれたのは、山口桂司さん。
昨年秋、最初に会ったとき「日本一お風呂に入っている人」と紹介されたほど、銭湯を愛し、温泉を愛する人なのです。

山口さんは、銭湯文化を守ろうと、銭湯を案内するまち歩きツアーも企画しています。
神石温泉は、山口さんの大好きなコースのひとつだったそうです。
銭湯だけでなく、周囲にある石津太神社、石津神社、乳岡古墳なども案内しています。

銭湯ツアーの参加者から集めたアンケートを経営者にも届けます。村田さんがそのアンケートの束を大切そうに番台の中から出してきました。
山口さんは、「アンケートを大事にしてくれた」と感激していました。
そこにも、人と人のふれあいの心温まる光景がありました。

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神石温泉の営業最終日は、3月15日です。
所在地は、大阪府堺市堺区石津町1-14-28。

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