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海外でビジネスをするには・・・⑩組織文化の作り方

おはようございます。

1月から、自分の経験や体験を通じて感じた「日本の会社は、こうやれば、もう少し海外ビジネスをうまくできる」を書き始めました。
前回は、「数字による管理とは?」について書きました。
今日は、「組織文化はどうやって作る?」について書いていきたいと思います。

掛け声だけじゃ動かない

私は、台湾現地法人着任にあたって、「この会社に挑戦する組織文化を築きたい」って思っていました。
私は、挑戦した数によって成功が決まる、って信じています。
なので、挑戦するのが当たり前の会社になれば、自ずと事業も会社も成功・成長できるだろう、って考えるのです。

でも、「みんな、挑戦しようぜ!」って掛け声だけで、社員が動き出すでしょうか?

私は、台湾現地法人着任した当初、社員に「色々なことに挑戦しよう」って呼びかけました。
「社長が言うんだから、社員はやってくれるだろう」
そんな驕りが当時の私にもあったのでしょう。
今振り返ると恐ろしく恥ずかしいです。

例えば、ホームページを刷新しようと企画しました。
数名の担当者を決めて、「好きなように変えて良いよ」って始めました。
でも、1ヵ月経っても、2か月経っても、何も出来上がって来ません。
どうしたのかって聞くと、社員からはこんな答えが返ってきました。
「いやあ、通常業務が忙しくて時間がありませんよ

他に、展示会に出展しようと企画した時のことです。
当時の事業部長に、「〇〇展示会に参加してはどうかな」って相談っぽく打診・提案してみました。
けど、その事業部長からはこんな答えが返ってきました。
「いやあ、大して効果ないから無駄ですよ

組織にも「慣性の法則」が働く

社員にとっては、これまで「挑戦」なんて許されていなかったのに、突然に「挑戦しましょう」って言われても戸惑ってしまいます。
そして、よくよく考えると、社員は「挑戦」なんてしたくないんですよ。
これまで「挑戦」しなくても給料もらえていたのだから。
一方、「挑戦」ていうことは、社員にとっては、新しいこと=仕事が増える、と。つまり、社員にとっては、「挑戦」はキラキラしたものでは無いなく、単なる「追加業務」に思えるのです。

物理学の「慣性の法則」は、組織にもあてはまると言われます。
「静止している物体はいつまでも静止し続ける」
組織には強い慣性の力が働いていて、その風土を変えるのは非常に難しいのです。

じゃあ、どうする?

先ず隗より始めよ

社員は「忙しくて時間がない」のです。
だったら、社内で最もヒマな人がやるしかありません。
社員は「無駄」だと思ってやる気がないのです。
だったら、社内で最もやる気のある人がやるしかありません。

社内で最もヒマでやる気のある人って、誰でしょうか?
そうです、社長です。
社長自らが動き出すしかないのです。

実際、私は自らが動きました。
ホームページ制作は、一人でエクセルやパワポで草案を作成しました。
その草案を元にホームページ制作業者に仕上げてもらい、それを一人でチェックして、新ホームページ公開までやり遂げました。
また、展示会への出展も私自らが決定しました。
ただ、展示会出展を決定してからは、社員が動いてくれました。
私がやったのは、参加を決定したこと、予算を与えたこと、展示会中に社員への差し入れを買って持って行ったこと、ぐらいです。

新しい「慣性」を与えるファーストペンギンになる

ホームページも展示会も私自身が主導したのは最初だけでした。
少し経過すると、社員が工夫しながら運営してくれるようになりました。
そうです、社長は最初の一回転だけ与えれば良いのです。
後は勝手に社員が回してくれます。

物理学の「慣性の法則」には、既述の「静止している物体…」以外に以下のようなものがあります。

「運動している物体はいつまでも等速直線運動を続ける」

つまり、私が行ったことは、組織に新しい「慣性」を与えることだったのだと理解します。

自らの経験を通じて、リーダーの役割とは、
偉そうに腕組みして皆に指示すること、ではなく
新しい「慣性」を与えるファーストペンギンになること、なんじゃないかなって思います。

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