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京の悪霊ハンター #28

梅雨が明けるころ、
蝉が夏の始まりを告げ、
京の都には、コンチキチンの鉦の音が響きわたる。

疫病退散を祈願したのが始まりとされ
千年以上つづく祇園祭は、
医療技術の進歩により、疫病退散の役割は終えたが、
それでもなお、祇園祭が行わなければならない理由がある。

それは、悪霊の捕獲だ。

悪霊は、はるか昔から絶えず人に憑き悪行を積み重ね続けてきた。
ついには世界最大のスポーツ大会までもが狙われ、
中止寸前まで追い込まれる前代未聞の事件が起こった。

何とか食い留めることができたのは
京の悪霊ハンターの存在があったからだ。

そう、京の人たちは、
はるか昔から悪霊退散に一役買ってきた。

京都が観光都市にまで昇りつめきた歴史があるのは、
日本全国から悪霊を呼び寄せる必要があったからなのだ。
そのために寺社仏閣を整備し、悪霊の所在を検知するために、
京の入口に大きなタワーを建てた。

うだるような熱気に包まれた7月の京都。
毎年、人に混じり多くの悪霊たちが魑魅魍魎に群れをなしている。

そして今年も京の人たちによる一掃作戦が始まった。
「コンチキチン、チキチン・・・」

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