父はこっそりウラをとる

どうも、ナカです。

小学生の子どもをもって夏を迎えるというのはこういうことなのですね。

給食が無く、学童ルームだから毎日お弁当が必要で、明らかに学期中の方が負荷が少ないとか、そのお弁当を父が作った時にはメニューがワンパターンしかないとか、ワンパなメニューでもニコニコして「お弁当美味しかったね~」という息子がたまらんとか、そんなことは付随的なものであって、やはり一番は夏休みの宿題の巨頭、『自由研究』をどう処置するかだ。

研究に対する溢れんばかりの熱意はあるものの、手法を全く体得していない小学校1年生に研究報告を完遂させようと思えば、如何に考えても良き伝道師が必要であろう。

ここでチラリと母を見る。
ふむ、目を逸らしてきたか。
ここで政治学科の本領を発揮して貰い、日本の選挙制度の行く末について考察させるのもオツだったのだが、まあよい。
ここは工学科の父が出ていくとするか。

父「最近、何か不思議だったことない?」
子「スーパーで買ったピーマンに、アオムシが居て、中をバクバク食べてたよ!!」
母「じゃあ、それを調べて自由研究にしたら良いんじゃない?」
子「自由研究ってどうやるの?(父を見ながら)」

こうやって、スッと現れて、背中を押して、またフェイドアウェイして知らん顔するのは、母の真骨頂である。

父「じゃあ、アオムシの種類を調べてみて、それがピーマンの他に何を食べて、大きくなったらどんな蝶になるか、書いてみようか」
子「良いね!良いね!うんうんうん!」

時折、突然テンションの上がる息子はちょっと恐い。

父「(とは言ったものの、さーてどうやって調べようかな。google先生に聞いてみるか)」

《ピーマンを食べる虫》、検索。

ヒット!

父「(息子に向かって)ピーマンに居たアオムシって、こんな色と模様だった?」
子「うんうん、そうそう。こんな黒いつぶつぶ模様だったよ!良いね!良いね!」

タバコガ。
アオムシの成れの果ては、蝶でなく蛾だった。
父「じゃあ、これを纏めてみようか」

ここまでの調査時間:3分。
あー、ラク。
多分ネットが無かったら、図書館に行って、昆虫・アオムシ図鑑を探してきて、夏休みだから誰かが読んでたら待ったりして、図鑑の写真からピーマンの中で見つけたものを探しだして、似たようなアオムシはいっぱい居るだろうから、特徴が合うかどうかチェックして・・・。
半日くらい掛かるな。

ラクな反面、それが正しい情報か分からないし、間違っていたとしても『間違ってるよー』と情報発信者にアクセスする先も容易には見つからない。

子の記念すべき初研究を誤報にするのはあまりに酷だ。
それなら仕方ない。

随筆:『父はこっそり息子の自由研究の情報のウラをとる(学校提出までに)』
完。

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