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中村研究室のゼミと運営の工夫

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#ゼミ

[研究室ゼミ] 研究テーマ交換プレゼン

ようやく複数回実施して、良さ整理できてきたので改めて(過去の記事はこちら)。 学生さんの様子を見ていると、自身の研究について、そのアイディアを思いついて取り組み始めたときにはオモシロイと思っていたのに、徐々に「あれ?これなにが面白いんだろう」と思ってしまいがちのように思います。また、研究について何度も語っていると、このテーマについて初めて聞くひとの気持ちがだんだんわからなくなり、導入の重要なところを飛ばして説明するようになってしまって、結果的に納得性の低いものになっていたり

[研究室運営] Scrapboxを使った研究室の情報共有のススメ

研究室でしっかりと情報共有がなされているところは思った以上に少なく、先生だけが重要な情報を知っている、秘書さんだけが全容を把握している、あの先輩だけがあの高価な機器の使い方を知っている、しっかりもののあいつだけが頼りみたいなことになりがちです。 で、先生が忙しくなりすぎると情報が降りてこなくて困る、秘書さんが辞めると情報が消失して破たんする、先輩が卒業すると誰もあの高価な機器を使えず廃棄まっしぐら、しっかりものの学生さんに負荷が集中して不満がたまるみたいなことになりがちです

Scrapboxと発表者が規定の時間で移動するオンライン・ポスター形式の合同研究会がとてもよかった話

中村研では「ひとりの落ちこぼれも出さずにある程度高いレベルまで上げる」ということが基本的な運営ポリシーであり,色んなことをやっているのですが,その中でも重視しているのが他研究室との積極的な交流会だったりします. 研究室に閉じていると仲間も世界も広がりませんし,画一的な評価基準のなかでいるのはうまくいっている人にとっても,うまくいっていない人にとっても望ましくありませんし,機会損失にもなります.また,一度学会発表して終わりじゃなく,途中の段階で色んな人にコメントをもらうという

[研究室ゼミ] 合同研究会で研究室を超えた交流

問題意識研究室に閉じこもって研究していると、仲間が限られてしまいますので、それ以上の広がらない。もちろん、学会発表することで色々な意見をもらうことができるが、多くの学生さんにとって、ある研究について学会発表すると、それでおしまいということも珍しくない。また、研究着手段階などでは色々な意見をもらうことができない。あと、教員が1人だと偏った意見・思想になりがち。 目的世界を広げてほしい。また、色々な場で発表し、自分の研究にフィードバックを得てもらいたい。特に、研究成果が出ていな

[研究室ゼミ] 研究テーマ交換プレゼン(模索中)

一度やって効果はかなりあったのだけど、実施するのに時間がかかるため、ゼミ内で完結するいい方法が思いつかず二度目がまだ実施できていない「研究テーマ交換プレゼン」ゼミ。誰か良案だしてくれないかなと、過去にやった記録を残しておきます。 問題意識自分の研究テーマについてプレゼンすると、自分の思い入れのある部分、苦労した部分を中心に話しがちで、他人から見て面白い部分が伝えられていないことが多い。また何が面白いのかもわからなくなりがち。 目的その研究に対してフラットな印象しかない他人

[研究室ゼミ] 卒論・修論の学生さんによる査読

卒論・修論の締め切りが近づくと多くの研究室では悲壮感漂ってると思います。中村研は研究室内締切がクリスマスのちょっと前あたりに設定されており、そこまでみんな頑張って原稿を書き続け、締切間際に提出してくることになります(で、そのまま忘年会に突入するため忘年会はぼろぼろになりがちです)。 私は、学会などに投稿する原稿は細かく赤入れをしつつ丁寧にチェックして、修正してもらって、赤入れして、修正してもらってというやり取りを何度も繰り返しますが、卒論や修論は単著ですし、その文章も審査対

[研究室ゼミ] 他人の関連研究探しゼミ

卒論とか修論など研究に取り組んでいて、自分がやってる研究の関連研究が見つからなくて困ることが多々あります。で、学会発表したときなどに、「この研究知ってる?」「これ引用していないよね」と似ているものを提示されて、「うげぇ」となって死にそうになります。私も学生時代に経験あります。 さておき関連研究探しなんですが、探しているときにはなかなか見つかりません。そして研究についてほかの人(教員など)に話した時に、その人がその場で検索して、すぐにそれっぽいものを見つけられてしまって「こん

[研究室ゼミ] ペアプレゼン質疑

こちらもまた他の研究室のゼミでは見かけないけど、中村研ではやたらとやる機会が多いペアプレゼン(ペアのショートプレゼン)。 目的研究室のすべての学生同士がコミュニケーションを取れるよう(誰とでも話したことがあるよう)にする。研究室の学生がお互いに何をやっているかを知る。自身の研究テーマを繰り返しの練習で短時間で説明できるようにする。何度もプレゼンすることで勘所を掴み、ショートプレゼンをブラッシュアップする。先輩の研究であろうが気軽に質問できるようにし、わからないことはわからな

[研究室ゼミ] 論文のペアリーディング

ここ(学生30人に教員1人の研究室運営について(2017-2019))にも部分的に書いているのだけれど、中村研究室のゼミでやっていて、ほかの研究室ではあまり見かけないものを紹介していってみる。 最初は「論文のペアリーディング」。これはもともと下の記事にあるペア読書という方法を見てああこれ論文でやったらおもしろそうだなと思ってやってみたもの。 目的学生さんにもっと気軽に論文を読んでもらいたい。論文を読むときにわからなくて詰まって悩みまくって読み進まないのではなく、まずはざっ