【映画】 ゴーストワールド
◯です。
この前、はじめてゴーストワールドという映画を鑑賞しました。
コミックス原作のアメリカ映画で、日本でも知る人ぞ知るカルト的人気を誇る映画です。
今でもDVDは結構高値で取引されるレアものです。
一年前にブックオフで見かけて思わず購入してしまいました。
(このレアなものに遭遇してしまったときの鳥肌大好きです)
肝心のDVDプレイヤーがなく温めていたのですが、ようやく見れたので感想を残します。
どんな映画?
簡単に言えば、高校を卒業した女の子二人がメインの青春群像劇です。
青春というと全く甘酸っぱくはないのですが、若さゆえの自由さと考え方がとても青春を感じさせる内容となっています。
そして後半はその時間の終焉を描きます。
高校という青春の世界から解き放たれ、だんだんと外の世界に染まっていき、それについていける人・ついていけない人がそれぞれ描かれていきます。
変わっちまったのはどっち?
親友のイーニドとレベッカは、高校を卒業し自由にダラダラといきていきます。二人は同棲するためのお金を稼いだりしていました。
ある日、いたずらで呼び出した中年の男性とイーニドが仲良くなり、イーニドは中年男性にズブズブとのめり込んでいきます。
レベッカは働きながらお金を稼ぐ一方で、イーニドは1日でバイトをクビになっていきます。
最終的に二人はすれ違っていき、イーニドは中年男性にどハマり、レベッカは就職し一人暮らしをはじめていきます。
ゴーストワールドは主にイーニド視点で描かれるため、レベッカが大人になっていく=変わってしまったと思えてきます。
ただ、レベッカからしたら中年男性にはまっていったイーニドも立派に変貌を遂げているのです。
どっちが変わっちまった?両方変わっちまった?
昔はそんなじゃなかったのにな。
バスを待つ人
だんだんと孤独になってゆくイーニドの唯一の心の支え?は、待っていても来ることのないバスをベンチに座って待ち続けるおじいさんでした。
この人は、ずっと変わらないものとして存在し続けるメタファーであったと思います。
ずっと変わらないと思い込んでいる人、つまりはイーニドの心情を示しています。
しかし、物語終盤で来るはずのないバスが止まり、おじいさんはイーニドの目の前でバスに乗ってどこかへいってしまいます。
ずっと変わらないものがなくなってしまうのです。
そして最後、イーニドはそのバスに乗りどこかへ旅立ってしまいます。
それはイーニド自身の変化を示しているのか、はたまた変わらざるを得ない自分を示していたのか。
ずっと変わらないものなんて存在しないんじゃないか?という不安を感じるラストでした。
置いていかれてしまう恐怖
この映画を通して、まわりの変化に取り残されてしまうことが残酷なことであることを感じました。
もちろん変わらないことはいいことなのですが、その瞬間は永遠に戻らないということです。
そして過去と現在に永遠にとらわれてしまうと、未来に置いていかれてしまうのです。
今を大切にしつつ将来のためにどう生きるか?が立ち回る上での正解なのかなあと思いました。
変化に順応したレベッカ、ついていけなかったイーニド。
二人はどうなっていくのでしょうか。
青春と記載したはずが、なんとも心に残る作品なのでした。
これはカルト的人気を誇りますわ…。
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