どうぶつの森の博物館に展示されない現代美術③
○です。
5部ポルナレフ風セットを作りました。風です。風。
それでは、前回の続きです。
今回のテーマは所有権とパブリックドメイン。
著作権は日本では死後70年の保護期間があります。保護期間が終了したら、作品を自由に使える!やったー!
…とはなりません。そこで次に絡んで来るのが所有権です。
所有権が絡んで来てしまうと、どうぶつの森には登場できないのでしょうか?
所有権
所有権とは、特定の物を全面的に支配できる権利のことです。
すごい大袈裟な言い方にみえますが、要は自分の物なんだから好きにしていいよねって権利です。
この權利は、所有者個人にはもちろん、美術館や博物館にも適用されます。
そのため、使用するには許諾料が必要なのです。
ちなみに、どちらにせよ許諾料は必要なのですが、美術館や博物館にある作品全てが館の所有品であるとは限りません。
それが、寄託と寄贈です。
寄託とは、作品の持ち主が安全性や保管性などのメリットの元に、館に作品を預かってもらうシステムです。
つまりは、所有権は元の所有者にあります。
一方寄贈とは、完全に所有する作品を館に譲渡するシステム。
所有権は館にあります。
どうぶつの森の場合は寄贈ですよね。つまり、いままでフータに渡していたものは全て博物館の所有となるのです。
美術品を実は手放している主人公。太っ腹。でも芸術はやっぱり公共にさらされるべきなんだと個人的には思ってるので、なんか好感はもてます笑
そんなこんなで、美術品のほとんどは所有権や著作権に守られているわけです。じゃあどうぶつの森に出てるってことは、全部お金払ってるの?
しかし、そこまで芸術は縛られていることはないんです。次の項でお話ししていきましょう。
パブリックドメイン
著作権保護期間が終了したもののことを、パブリックドメインといいます。
記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。最近、ルーブル美術館などの多くの館がパブリックドメイン化を始めているのです。
近年、このような美術のデジタルアーカイブ化が増えてきているのです。
ただ、館によっては独自のルールを設けている場所もあるため注意が必要です。
このパブリックドメインを使えば、確かにほぼ無料で使用できるわけですが、そもそも作品を所有する博物館や美術館が昔からパブリックドメインでの作品公開をしていた訳ではないので、どうぶつの森の美術がたとえパブリックドメインであってもちゃんと許可、使用料を払って使っている可能性が高いです。
まあ恐らくは、館の許可次第ってところではないでしょうか。
ただ、このパブリックドメインに関して、美術館からの逆アプローチも最近ありました。
マイデザインの配布
どうぶつの森には、自分で描いた絵をマイデザインとしてイーゼルや壁に飾ることができたり、服として身にまとうことができます。
その機能を使って、美術館がデザインとして実際の所蔵品を配布したのです。
某ウイルスの影響で、外出が自粛され、美術館が臨時休館する中でのこのアプローチは、多くのユーザーを楽しませました。
実はぼく自身も過去に記事を書いています。
このマイデザイン参入でわかる点として、美術館側はどうぶつの森に対して友好的であることです。
もちろん全ての美術館がそうとは限りませんが、どうぶつの森との共存の新たな形としてとてもいい事例だと思います。
ただ、このマイデザイン配布の対象は、パブリックドメインの作品。つまりは、現代美術の配布はされていないのです。
まとめ
所有権、パブリックドメインについて今回は考えてきました。
所有権があると、許諾料によりお金がかかる。
パブリックドメインの作品は、著作権保護の外であるけれど、館独自のルールによって使用に制限がある。
そもそもパブリックドメインであるのは、著作権の外におかれている作品。現代美術は対象外です。
パブリックドメインに関して今回述べるのは迷いましたが、美術館がどうぶつの森に対して友好的であることを強調したいので考察しました。
任天堂に対して使用料を取っているのかもしれませんが、今後どうぶつの森をデジタルアーカイブのフォーマットとして捉える流れが増えてくるのかもしれません。
結局、現代美術はどうぶつの森に出てこないんじゃん。
…って思うかもしれません。でも、ぼくなりに著作権・所有権が絡んでいても現代美術を登場させる方法を考えて見たので、次回考察していきたいと思います。
法律に詳しいわけではないけれど、可能性の一つとして、ね。
参考サイト
著作権保護期間が経過した、博物館や美術館所蔵作品の利用について 7/28
博物館の文化財(美術作品)の寄託と寄贈の違いとは?所有権がポイント 7/28
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