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体験譲渡の可能性

○です。

以前、体験や民俗学のバーチャル化についてのお話をしました。

体験や民族伝承は、VRや掲示板などに場が移行してきています。少なくともぼくはそんな気がします。

ただ、その場ではワークショップやクラフトはできないのが欠点でした。

そこでふと思ったのは、体験している人の感想を聞いたり体験を見ることで、実際には自分自身は体験できないけれど、体験したような気分になれるのではないかと思いました。

ぼくはこれを体験譲渡って呼ぶことにしました。

今日は体験譲渡について。


体験譲渡の例

体験譲渡の例として、ゲーム実況が挙げられます。

自分自身はゲームをプレイしてはいないけれど、代わりに実況者がプレイします。

その実況は、プレイ技術を極めたもの、ストーリーを進めていくもの、世界観や魅力を伝えるもの、様々です。

そしてそれを言葉で伝えていくことで、自身はあたかも体験したような知識や感覚を得ることができます。

体験をもらうことが、要はできるわけなのです。

以前もどこかの記事で挙げたのですが、なまぐさ坊主のなむさんの実況は本当にゲームの世界観を知ることができておすすめです。

ゲーム内をツアー観光しているような、そんな体験をもらえます。


あつまれどうぶつの森における体験譲渡

さて、ここであつまれどうぶつの森です。

どうぶつの森はゲーム実況のような体験譲渡とはまた一つ違った、譲渡の仕方をしてくれます。

プレイヤーが作ったアバターのような島民が、自身の代わりに様々な体験をしてくれます。

まず、今作で一番体験するのがDIYです。

モノを素材から実際に作る。そして、島や家を飾りつけする家具を作ることにより、島作りを体験することができます。

DIYは、素材を集める工程から始まります。

素材からモノを作るまで、この工程を島民は自身の代わりに体験してくれるのです。

その他には、島の暮らしです。

魚釣りや虫取り、住民との会話、おしゃれ、お金稼ぎ、博物館鑑賞などなど。

これらを全て代わりに体験してくれます。

その中でも体験らしい体験として、季節のお祭りが挙げられます。

イースターやアースデー、ミュージアムデーや花火大会、ハロウィンやクリスマスなんかも、全て体験ができます。

バーニングマンのバーチャル化にも少し似ているような気がします。

住民との交流や、新たなコミュニティを作る。そしてお祭り。

これらの体験はプレイヤーが操作する島民を通じて、代わりに体験できるのです。

これが体験譲渡の形です。


体験譲渡のこれから

体験譲渡は、これからまだまだ増加してくると思います。

ゲーム実況やどうぶつの森は、今や多くの人に受け入れられ、大人気のコンテンツとなっています。

近年感染症の影響により、体験の消失が進んでいます。

反面、閉塞感から人はより体験を求めています。

そこで新しい体験のかたちとして、体験のバーチャル化が進んできました。

そして、体験譲渡のかたちも。

いずれテクノロジーの進歩により、遠隔でも肌で体験を感じることができるようになる日が来るのでしょうか。

最近、オンライン飲み会においてオンラインでお酌をすることができる体験が登場しています。

個人的に、オンラインにしてまでお酌を続ける上下関係文化はあまり好きではないのですが(個人差はあります。あくまで僕の意見です。)、これはまさに体験の進化とも言えます。

ただ、そんな日が来るまでに求められる体験は、体験譲渡だと思っています。

代わりに体験してもらって、その感想や様を見ると、不思議とインプットした気持ちになれたりします。

体験することの多様化が進むことで、人はより経験値を積むことができ、知識を得ることができます。

このような機会が増えたことは、ぼくは素直に嬉しいです。

体験譲渡をすることで、ぜひインプットをしてみてはいかがでしょうか。

体験に負けない体験ができるかも、、、?

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