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Basecamp / 37signals から学んだ仕事観、働き方とその思想

私は大学院卒業後の翌日4月1日からフリーランスのデザイナ、そしてオフィスも当然なく(そんなお金ももちろんない)、家で働き始めた。

仕事はなかったけれど、働き始めた。最初からリモートワーク、ノマドワーク。当然、仕事観、働き方は誰も教えてくれなかった。名刺交換の仕方はGoogleが教えてくれたが。


上司という存在への憧れ

そんなこんなで仕事をスタートしていくなかで、自然と「上司がいることへの憧れ」を持つようになった。「就職をしておけば良かった」と思うことはないけれど「上司がいたら、こういう時どうするだろうか?」は今だによく思う。

特に最初の頃は、音楽を聴いていても「このアーティストが上司だったら」と思うことや、上司的なる人の仕事現場の苦悩を垣間見れる映画や本から、何か学べることを読み取ろうとしていた。

自分だけの「エア上司」を創造しようとしていたのかもしれない。


37Signals / Basecampとの出会い

初めて2つのプロジェクトが同時に進むことになったとき、このまま進むと破綻することに私は気付いた。「プロジェクト管理ツール」的な単語も知らないまま、ネットの情報をあさり続けた。

そのときに出会ったのが、37signals社(現Basecamp社)の開発したプロジェクト管理ツール Basecamp。ちなみにAmazonのJeff Bezosも彼らに投資していたりする。

彼らのつくる一連のツールを使うなかで、初めて具体的な「仕事観」「その前提となる考え方」「ツールの設計思想」に触れている感触を得られた。

初めて鉛筆と紙を手に入れたような感覚。そしてそのツールがなぜ生まれたか、どうしてこの形態なのかを読み解こうとした。

Basecampを率いるJason Fried、David Heinemeier Hansson の仕事観、働き方に対する態度、そのツールから読み取れる思想が空白だった「上司」に具体的な像を与えてくれた。


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Basecamp / 37signals で影響を受けた記事、書籍、映像をまとめてみた。

📓 Getting Real by 37signals

まず最初に読みあさったのがこの Getting Real。「より小さく、より速くつくる。」は、変化の速いインターネット周辺にあっても変わらない、インターネットによってより強固に実証されるようになった哲学なのではと思う。

Getting Real は、より小さく、より速くソフトウェアを構築するのにより適した方法です。またそのアプローチはソフトウェアだけでなく、多くのビジネス、クリエイティビティの現場でも活きるのではと思う。

そういえば、2008年に島根県隠岐諸島の海士町へ向かう船で一緒だった黒沢健二くんが後述する「Getting Real by 37signals」の訳者だったことに気づき、船上でとても興奮したことを覚えている。


📗 Rework / 小さなチーム、大きな仕事

これからの時代にあって「会社は大きくあるべきなのか?」という問いに対する一つの答えが書かれていると思います。


📕 Remote / 強いチームはオフィスを捨てる

閉じられた空間に同じ人たちと毎日、長い時間を共にする。その不健全さと、その習慣に抗うためにチームが持つべき「強さ」について書かれてる。


📺 TED 「なぜ職場で仕事ができないのか」

職場勤めの経験はないのですが、なるほどと。


📒ディフェンシブ・ウェブデザインの技術

ソシオメディア社監修の翻訳本。ユーザの「間違い」、システムの「エラー」をどう伝え、どう次の行動を促すかについてまとめられています。働き方とは直接関係ないかも知れませんが、「エラーは排除できないもので、それをどう扱うかが大切」ということは、本書の本題のウェブユーザビリティに止まらず、仕事する・働くという点でも学べることは多いと思う。


📺 37signals with Apple

Jason Fried と David Heinemeier Hansson による Macbook Pro の CM。現在の Apple とは違うこのトーンの映像と音、久しぶりに観ました。グッときます。


現在、プロジェクト管理ツールのポジションはAsanaへ乗り換えてしまったが、Basecampを使わなくなってからも数年間は、敬意を込め、契約を継続していた。

そういえば、giftee も創業メンバーが出会った頃、3人で Getting Real by 37signals を読み、Basecamp を使ってたな。