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【400字小説】馬

アンカーでバトンを受けたバスケ部のヒバリは、
その時、逆転なんて無理な可能性だった。

ところが、第3コーナまでに3人抜いて、
野球部と陸上部を抜けば、
どんでん返しが待っている状況に。

馬並みに荒々しく走る野性味で、
会場も奇跡を期待せずにはいられない。
ヒバリも声援が自分に向けられていることを、
風を切りながら感じたので、力になった。

そして、最終コーナーで陸上部を捉えて、
カーブもお構いなしに抜き去る。
その時、野球部はコーナーを抜けていた。

正直、ヒバリは敗戦濃厚な感じだと弱気に。
だが神様が悪戯して野球部のアンカーの手から
バトンを滑らさせた。
あり得ない事態に野球部のアンカーは焦り、
バトンの行方を探す。
足元にあるというのにキョロキョロ。

ヒバリは野球部に「アバヨ」と呟いて抜き去った。
歓声が上がる、見事に1位でゴール。
でも、その拍子に前のめりに転倒。
手をついた際、腕に激痛が走り、
やっちまったとヒバリは骨折を悟った。

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