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ただの映画感想『ほかげ』

★☆☆☆☆

★は限りなく5に近い1。理由は感情がシンクロしてしまいすぎて、精神的にずっときつかったから。喉ぼとけに包丁を突き付けられ、眉間にも短銃を押し付けられた気分の95分。何度か耐えきれず発狂してしまう!という危機に瀕した。内容に触れると、子どもは女のまぼろしであり、希望だとずっと思いながら観ていた。だから女が子どもに「嫌いだ」と伝えたシーンには胸が張り裂けた。あんな気持ちをぶちまければいけないなんて、つらかっただろうに。一方でしばらくして戻って来た子どもに「生きなさい」と襖越しに言ったシーン、狂っているわたしに言ってくれているようだった。女を演じた趣里さんは朝ドラのヒロインには見えない暗さを放っていた。テキ屋の男を演じた森山未來さんは悲しく狂気で、復讐したあとに「戦争が終わった」と吐露した場面、戦争の恐ろしさを見事に表現していた。もう二度と観たくないと思わせるほどの傑作でした。

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