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【400字小説】表

Excelでパチパチと表にデータ入力。
AIとかChatGPTのある時代に、
手入力で打ち込んでいくことに
理不尽ささえ感じている。

ツクモは40歳を過ぎて少しずつ、
加齢による衰えを感じ始めていて、
如実に現れているのが、
データ入力のスピードが落ちて、
まわりに敵わないこと。
負けっぱなしで後ろめたさを感じるんだ。
誰もが通る道と年上の男性上司から
言われても癒えない。

だから毎日、家に帰っては
家猫2匹に傷を舐めてもらってばかり。
彼氏は5年いない、結婚は多分できない。
そんな人生は数値化されないから
表になることもない。
そこに安堵。

結婚してないからかわいそうという
会社の雰囲気は時代に逆行していて息が詰まる。
今さら転職もできないなんて諦めてて、草にもならない。

会社帰り、そろそろバスが来るからって、
停留所までの50mをダッシュしたら
息が上がっただけで、バスに追い抜かれた。
タイムは測れない。
年を取って数字にさえも見放されたことに、
実は絶望。

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