【書評】統計学が最強の学問である

西内 啓
ダイヤモンド社
2013/01/24
★★★★

 超有名本ですね。累計40万部売れたとのこと。印税スゲーことになってるはず。今更ですが統計の世界に首を突っ込み始めたので、読まないわけにはいかないだろうということで。あと経験則ですが、売れた本かつ評価の高い本は、とにかく読みやすいことがほとんど。勉強に身が入らないので、読み物としてスルッと入れたい時には、こういう表現が上手な方の本を読むに限る。

 著者はというと、、、東大大学院助教、、、ナントカ医療センター副センター長、、、取締役、、、官民データ活用プロジェクト、、、まぁインテリだな、、、1981年生まれ!? とすると、たかだか俺の3つ上。出版が2013年ということは、9年前。俺が28歳つまりこの人31歳かそこら。ほんと良くできた人っているものですね。。。

  ハイ読みやすいです。ただし何も統計的な予備知識がないままに読むと、著者が主張する統計学の凄さや、論理の正当性を実感するには少しハードルが高いように感じます。序盤あたりで、根拠や理論はともかく結果を知って成果を出すために最短の道を導けるような類の話があり、そこらへまでなら「へーっ、統計ってゴイスー」くらいの感想は持てる。3章以降の誤差とかランダムサンプリング、非線形解析みたいな話だと共通言語が入ってないときつい。。。事実最後の方は若干置いてかれた感がある。けど言っていることはテクニカルな話では無く必要なエッセンスだし、もっと学んでみよう!という気にさせる本でした。

 今後として。自分が建設業絡みのITをやっているので、業界全体の課題である労働生産性向上につながるDXを企画している。ただ、自分の提案するDXとやらが、果たしてROI出るのかとか答えのない疑問が出てくる。診断士としてコンサルの端くれではあるが、コンサルは責任持たないから、そういう仕事は尊敬できないという声もある。いろんな意見を聞いてると、生産性を伸ばしてきた製造業とのコスト構造の分解・分析なんかをやって、統計的な目線を交えて1つのシナリオ描いてみたいなーと思いました。答えが無いなりにであれば、業界変えてベンチマークしてバックキャスティングで考えるのもありだろと。というかDXは変革なんだから、むしろそういうスタンスが前提として求められているんだろうと。こうやって、ストレートでなくとも知識が結びついて、適用できるホワイトスペースに気付く機会が増えるのが、読書・学びの楽しいところであると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?