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特許法施行規則13条の2~15条 情報提供制度

 情報提供制度とは、特許出願等が、新規性・進歩性などの拒絶理由等に該当していることの情報を特許庁に提供できる制度です。

 見方を変えると、今後の自社事業展開の障害となる(かもしれない)他社の特許出願等を見つけた場合、情報提供により他社出願の権利化阻止ができる場合があります。情報提供ができる時期は、特許出願等がなされた後(特許権設定登録後も含む)です。

 また、情報提供は、だれでも可能であり、匿名での情報提供も可能です(特許権成立後の特許異議申立制度と同じ)。


情報提供の際、主に使われる条文は以下の通りです。

 新規事項追加に該当する補正(17条の2第3号)
 発明該当性、産業上利用可能性なし(29条1項柱書)
 新規性、進歩性なし(29条1項、29条2項)
 拡大先願(29条の2)
 先願(39条1項~4項)

あまり使われないと思いますが、こちらでも情報提供できます。
 明細書の記載要件(36条4項1号)
 先行技術文献情報開示要件(36条4項2号)
 特許請求の範囲の記載要件(36条6項1号~3号)
 原文新規事項(36条の2第2項)

・特許法施行規則13条の2 情報の提供

(情報の提供)
第十三条の二 何人も、特許庁長官に対し、刊行物、特許出願又は実用新案登録出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲若しくは図面の写しその他の書類を提出することにより、特許出願が次の各号のいずれかに該当する旨の情報を提供することができる。ただし、当該特許出願が特許庁に係属しなくなつたときは、この限りでない。
一 その特許出願(特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願、同法第百八十四条の四第一項の外国語特許出願及び同法第百八十四条の二十第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願であつて外国語でされたものを除く。)の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が特許法第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていないこと。
二 その特許出願に係る発明が特許法第二十九条、第二十九条の二又は第三十九条第一項から第四項までの規定により特許をすることができないものであること。
三 その特許出願が特許法第三十六条第四項又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていないこと。
四 その特許出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合において、当該特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が同条第一項の外国語書面に記載した事項の範囲内にないこと。
2 前項の規定による情報の提供は、様式第二十により作成した書面によらなければならない。
3 前項の書面には、第一条第三項の規定にかかわらず、提出者の印を押すことを要しない。
4 第二項の書面には、第一条第三項の規定にかかわらず、提出者の氏名若しくは名称、住所若しくは居所又は法人にあつては代表者の氏名を記載することを省略することができる。


・特許法施行規則13条の3 情報の提供

第十三条の三 何人も、特許庁長官に対し、刊行物、特許出願又は実用新案登録出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲若しくは図面の写しその他の書類を提出することにより、特許が次の各号のいずれかに該当する旨の情報を提供することができる。
一 その特許が特許法第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願、同法第百八十四条の四第一項の外国語特許出願及び同法第百八十四条の二十第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願であつて外国語でされたものを除く。)に対してされたこと。
二 その特許が特許法第二十九条、第二十九条の二又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたこと。
三 その特許が特許法第三十六条第四項第一号又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたこと。
四 特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が同条第一項の外国語書面に記載した事項の範囲内にないこと。
五 その特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正が特許法第百二十六条第一項ただし書若しくは第五項から第七項まで(同法第百二十条の五第九項又は第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)、同法第百二十条の五第二項ただし書又は第百三十四条の二第一項ただし書の規定に違反してされたこと。
2 前項の規定による情報の提供は、様式第二十により作成した書面によらなければならない。
3 前条第三項及び第四項の規定は、前項の書面に準用する。


・特許法施行規則14条 書類その他の物件の提出書の様式

(書類その他の物件の提出書の様式)
第十四条 特許法第百九十四条第一項の規定により特許出願に関し書類その他の物件の提出を求められた出願人が書類その他の物件を提出する場合は、様式第二十二によりしなければならない。
2 特許法第百三十四条第四項(同法第七十一条第三項、第百二十条の八第一項(同法第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)及び同法第百七十四条第二項から第四項までにおいて準用する場合を含む。)の規定により審尋を受けた者が書類その他の物件を提出する場合は、拒絶査定不服審判についてするときは様式第二十二により、それ以外のときは様式第二十三によりしなければならない。


・特許法施行規則15条 物件の返還

(物件の返還)
第十五条 特許庁に提出したひな形もしくは見本または証拠物件の返還を受けようとする者は、その提出の際にその旨を申し出なければならない。
2 前項のひな形もしくは見本または証拠物件は、特許庁から返還の通知を受けた日から三十日以内にその受取の手続をしなければならない。

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