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実用新案法56条~62条 罰則(侵害の罪等)

 基本的には特許法と同等の規定です。ただし、基本的に、懲役刑の長さ、罰金の額は、特許法より少なめです。また、実用新案法では、間接侵害に対する罰則はありません

 例外として、偽証(実59条)、秘密漏洩(実60条、60条の2)は、特許法と同じ量刑です。


・実用新案法56条

(侵害の罪)
第五十六条 実用新案権又は専用実施権を侵害した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

・実用新案法57条

(詐欺の行為の罪)
第五十七条 詐欺の行為により実用新案登録又は審決を受けた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

・実用新案法58条

(虚偽表示の罪)
第五十八条 第五十二条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

・実用新案法59条

(偽証等の罪)
第五十九条 この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の罪を犯した者が事件の判定の謄本が送達され、又は審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

・実用新案法60条

(秘密を漏らした罪)
第六十条 特許庁の職員又はその職にあつた者がその職務に関して知得した実用新案登録出願中の考案に関する秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

・実用新案法60の2条

(秘密保持命令違反の罪)
第六十条の二 第三十条において準用する特許法第百五条の四第一項の規定による命令に違反した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

・実用新案法61条

(両罰規定)
第六十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第五十六条又は前条第一項 三億円以下の罰金刑
二 第五十七条又は第五十八条 三千万円以下の罰金刑
2 前項の場合において、当該行為者に対してした前条第二項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
3 第一項の規定により第五十六条又は前条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。

・実用新案法62条

(過料)
第六十二条 第二十六条において準用する特許法第七十一条第三項において、第四十一条において、又は第四十五条第一項において準用する同法第百七十四条第三項において、それぞれ準用する同法第百五十一条において準用する民事訴訟法第二百七条第一項の規定により宣誓した者が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述をしたときは、十万円以下の過料に処する。
第六十三条 この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から呼出しを受けた者が、正当な理由がないのに出頭せず、又は宣誓、陳述、証言、鑑定若しくは通訳を拒んだときは、十万円以下の過料に処する。
第六十四条 証拠調又は証拠保全に関し、この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から書類その他の物件の提出又は提示を命じられた者が正当な理由がないのにその命令に従わなかつたときは、十万円以下の過料に処する。


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