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漢字や漢語に関する誤解と正しい知識

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漢字や漢語に関する誤解を訂正し、正しい知識を拡散している記事
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記事一覧

「竜」の字体が「龍」よりも古いというトンデモについて

楷書の「龍」という形は殷墟甲骨文に見られる文字を継承したもので、「竜」という形は早くとも…

nkay
11日前
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2024年6月6日のテレ朝『林修のことば検定』でトンデモ字源がまことしやかに紹介された

テレビ朝日の『林修のことば検定』という番組(正確には『グッド!モーニング』という番組の1…

nkay
2か月前
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杉村喜光氏の著書にあるフェイク字源(ガセ雑学、疑似科学)の例

科学者が世の謎を解き明かすために奮闘している傍らで、雑学屋が非科学的言説をさかんに拡散し…

nkay
3か月前
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野原将揮『解説:音韻学~中古音と上古音』にある間違った記述

はじめに『デジタル時代の中国学リファレンスマニュアル』に収録されている野原将揮『解説:音…

nkay
3か月前
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英語のswallowと漢語の嚥・燕のフェイク語源・字源を医療関係者が拡散している

英語の動詞 $${swallow}$$ 「飲み込む」と名詞 $${swallow}$$ 「ツバメ」は語源的にも字源的に…

nkay
4か月前
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漢語「三昧」はサンスクリット「समाधि samādhi」の音声転写では無い

【要約】漢語「三昧 *sam-məys」はサンスクリット「samādhi」の音声転写ではなくガンダーラ…

nkay
9か月前
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「漢字の成り立ち」を語る際は、微細な筆画にも注意して字の構造を明確にしなければならない――「比・真・豊・般」字の字源を例として

こんにちは、みなさん。 近年、多くの場所で「漢字の成り立ち」が語られる場面に遭遇します。テレビ番組や新聞雑誌、書籍や漫画、インターネット上のサイト・ブログ・SNSなどなど。しかしそこで見聞きする「漢字の成り立ち」説というのは、科学的根拠に欠けた信用できない説であることが少なくありません。 多くの場合、語り手が実際には文字学の知識に欠けた者であることが、その直接の原因となっています。こうした語り手達の間で、不可信で不正確な説明が伝播されていきます。 説得力の低いものと聞い

「漢字の成り立ち」を語る際は、最も初期の字形を根拠にしなければならない――「丁・…

こんにちは、みなさん。 近年、多くの場所で「漢字の成り立ち」が語られる場面に遭遇します。…

nkay
4年前
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「漢字の成り立ち」を語る際、まず第一に『ある漢字の意味は、必ずしもその字の字形と…

いわゆる「漢字の成り立ち」を語る場面や語られる場面に遭遇したとき、必ず認識しておかなけれ…

nkay
4年前
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漢字の字形を眺めて「もともとの意味」を妄想して「漢字の成り立ち」を語ってはならな…

こんにちは、みなさん。 前回、漢字の成り立ちについて述べたところ、多くの反響をいただきま…

nkay
4年前
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「漢字の成り立ち」説には科学的根拠が必要 ~トンデモ・誤字源が世間で拡散されてい…

こんにちは、みなさん。 今回は「漢字の成り立ち」について小話したいと思います。 一【この…

nkay
4年前
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