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『実践版GRIT やり抜く力を手に入れる』キャロライン・アダムス・ミラー

やり抜く力を持つ人を見てどう感じますか?才能でしょうか?意志の差?環境の違い?何をどうすればそうなれるのでしょうか?もはや手遅れ?

本書は以下の文章を読んで頂いて、そういったマインドを知りたい、実践したい人にお勧めだと思います。

適切なタイミングは? 「何事もタイミングが肝心だ」とよく言うが、目標に関しても同じだ。プライベートでも仕事でも、リスクを負い、居心地の悪い状況に身を置き、慣れ親しんでいる活動をやめ、守られた空間から外に出るには、情熱や粘り強さといったグリットの要素のすべてが必要となる。私は、生半可な気持ちでいる人や、夢を追う決断ができずにいる人とは目標達成に取り組みたいとは思わない。

これを読むと意志の弱い人は夢を追えないのでしょうか?どういう人が「GRIT」を手に入れる、身に付けるのでしょうか?

結果には関係なく努力そのものを褒められて育った子どもには、「しなやかマインドセット」が育まれる。努力そのものを褒められることで、たとえ何かできないことがあっても、たくさんの努力をして粘り強く頑張ることができれば、最初はうまくできなかったことでも時間をかけて習得することができるということを学ぶのだ。
耐久力テストの実験からは、人間の身体は脳から「ギブアップしろ」という指令が出て初めて、それを実行するのだということがわかっている。そうした指令には、クリエイティブな解決策への門戸を開く働きがあり、負けを認めてタオルをリングに投げ入れようとするときに、脳内の「チャンネル」を切り替えるのを助ける。 さらには、絵や写真、あるいは心に響く言葉など、何らかの刺激を戦略的に目に見えるところに置くことで、自制心が高まることも、逆に頑張る気持ちが緩んでしまうこともあるということもわかっている。加えて、「~が起きたら……をする」と決める「契約」を自分自身と結ぶことで、厳しい目標を達成する確率が3倍高まることも、研究で示されている。

幼少期だけでなく、青少年、大人でも意志が既に強く、覚悟が定まった人は厳しい環境、競争が激しい場に身を置いても勝負していけそうですが、まだそれだけのマインドが備わっていない人は上記のような「結果だけで判断せず、努力そのものを誉められる」環境に身を置くことが大切だと思います。

実力や才能があってもマインドがまだ出来上がっていない人は「実力に応じた」基準だけで環境や指導者、組織を選ばない方が良いんですよね。

本物のグリットを持つ人は、チームワークと友情を育む。そして本物のグリットには周囲を惹き寄せる力がある。情熱を持った人生を送っている人と関わっていたいと思うのは、自分もその人と同じような感覚を得たいからなのだ。

どういう風にグリットを使っていくか?「誤った」グリットはどんなものか?見極めはどうするかを読んでいくと上記の文章に行き着きます。

良いグリットは人に好影響を与えたり、応援されたり、良い関係が築けそうです。逆の場合は誤ったグリットの可能性が高そうです。

行動基準、規範、倫理観などからでも納得出来ますね。

本物のグリットを持つ人は、希望に溢れ、楽観的だ。彼らの「自分にはできる」という考えが常に正しいわけではないが、そのポジティブな信念には予防効果がある。未来に対してポジティブな展望を持っている人は、そうでない人と比べてより長く、より懸命に努力することができ、困難にぶつかっても諦めずに続けられる可能性が高い。

無理にポジティブに考えるとかではなく、ネガティブや不安があっても頑張っていけばきっと良くなる、良くできると信じて、自分の行動が少しでも未来を変えていけることを理解して進んでいけることが大事でしょうね。

以下、「良きグリット」と「良くないグリット」の事例が多く並びます。どうせなら良い方に行きたいですよね。ケーススタディとして読んでみて、たとえ現在は「良い」方が身に付いてなくても、これから身に付ければ良いのだと考えて変容してみると良いと思います。

今がどうこうではなく、大事なのは今後どうありたいか、ですよね。最初は「大根役者」のような感じでぎこちなくても、「良いグリット」を演じ、実践し続けることで定着し、演じではなく本物になるとも考えられます。

他の研究では、身体を動かすエクササイズを屋外で行うことで、20分以内にバイタリティーの向上が見られ、さらに悩みや気分の落ち込みを軽減できることもわかっている。また、ハイキングには精神を集中させる効果や、創造力、記憶力、自信を高める効果がある。

いくつか効果的な方法が挙げられていますが、ここは上記を引用します。やはり運動はポジティブな効果をもたらすことが記されています。

他にも仲間やコーチ、メンターの存在。日記や書くことの重要性も出てきます。

謙虚になるためには勇気が必要だ、と聞いても、直感的にうなずくことはできないかもしれない。しかし、控えめな人々というのは自己の改善に対して積極的で、自分が成長するためのフィードバックを前向きに探し求めているのだ。
卓越したアスリートの場合でも同じで、本当に優れた選手というのは、最も控えめな選手たちの中にいるものだ。彼らは、自分の勝利は約束されているなどと考えることは決してなく、あえて失敗しそうなことにも挑戦し、そこから教訓を得て自分を向上させることができる。

他にもGiver(与える人)であれ、感謝の気持ちを持つ、謙虚であれというような馴染みある内容が出てきます。

ポジティブな言葉がポジティブな効果を持つのと同様に、ネガティブな会話で頭をいっぱいにすると、目標に取り掛かる前に最大限の努力を注ぐ気持ちがそがれる可能性がある。

日頃からついついやることを先送りしてしまうことはありますよね。体力や時間効率、計画もあるのですが、心理的につい避けてしまうことも。

面倒に感じている自分に気付くことが第一歩で、その面倒に感じている自分に打ち勝って行動出来れば1つ1つが自信に繋がっていくと思います。

何事も淡々と押し進めていく人も凄いですが、もしかしたら面倒に感じて先送りしちゃう人がそれを乗り越えて行動していく伸び代は非常に大きいかもしれませんね。面倒に感じていること自体は「実」であり、決して悪いことではないと言えるかもしれません。

不足するのはその「行動」に当たる部分。ここを身軽に出来るように鍛えていく、1歩が常に出るように身体を作っていく、使っていくことが大事だと思います。

自身のグリットを高めるにせよ、子どものグリットを育むにせよ、誰もが心を挫かれそうなほど高いハードルに直面することになる。

忍耐強さ、我慢の重要性も出てきますが、日々の細々としたことでもコツコツ続けて取り組むこと、丁寧に生きていくことが基本になると思います。身体操作や動作に取り組み、心身を育むこと、向上したり、整えていくことも大切だと思います。

そこに面白さや楽しさを感じるように組み込むことも良いと思います。囲碁や将棋なども魅力的ですよね。スポーツ、身体性を伴う遊び。

効果をイメージしながらも、遊ぶ時は楽しく遊ぶ。思う存分スポーツする。そんな向き合い方でも良いと思います。


あとがき

多くを引用し、コメントを付記しましたが、一気に全部を実践するのは簡単ではないですよね。振る舞いは一朝一夕には変わらない。出来上がらない。

それでも1つ1つを変えていけるよう、その先に変わった自分をイメージし、期待しながらチャレンジしていくのは面白いですし、有意義だと思います。

このnoteが少しでもお役に立てば幸いです。

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