用語を考察しよう:スポーツ:デュエル
ハリル前日本代表監督を表す時にこの「デュエル」が取り立たせることが多い。ただどうも一般的に解釈を誤っていたのでは?という指摘が幾つか出てるけど、「1対1:決闘」ではなく、外国ではサッカーのベースとなる考え方だという。ちょっと考察してみましょう!
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バスケの方が解りやすいかもしれないけれど、個々の力量が相手チームより負けている場合、チーム全体も負ける確率は高い。5人中3人が下回っていればそうなりますよね。
幾らパスワークが良くても、技術があっても一対一で勝負できないのだと消耗度も激しいし、チームとしても苦しい。
そこには「個対個」としての「総合的勝負」があり、それが最終的にチームの勝負に結びつく。
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サッカーの場合はもう少しフィールドが大きくなりますが、印象は同じで。どうも個対個で負ける感じが強いとチーム全体も引き締まらない。そこを高めようというのが「デュエル」だったと認識しています。
ただ門外漢なので今回も専門の「駅伝」に引き寄せてみましょう(笑)
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駅伝だと「デュエル」はその区間できちっと役割を果たす。負けても良いではなく、想定範囲で「勝負」する。だけど、独りよがりに決闘するのではなく全体の流れの中、課された役割の範囲で勝負していくイメージを描きます。
サッカーも同じでしょうが、駅伝:例えば箱根駅伝で10区間起用される選手の全てが他より優れた選手なら優勝確率は相当高くなります。逆に言うと、他を圧倒する力が個々に無ければ勝利確率は恐ろしく下がるんですよね。
とりあえず優勝争いを考えましょう。
A大学ではSクラスが数名居たとします。これはただ平均タイムを見るのではなく、箱根駅伝10区間の特性を考えた上で配置してみて分析し、打ち出します。
その1区間1区間で1位を取れる(デュエルに勝利する)選手がS。2-3位程度に収められるのがA、なんとか最小差で繋ぐのがB、それ以下がCだとします。
優勝する為にはC選手はゼロのほうが好ましいですが、平均的にAとBばかりでも稼げる場所がありません。要はデュエルで勝てない。
この1つ1つの区間配置を考えた上で「デュエルに勝つ」ことを言われていたと思うんですよね。ただただ試合上の個々の勝負で勝てという意味ではないと思います。個々で勝負してもチームの勝利を考えられていないと全く意味がないことは明白だからです。
でも、選手ってついつい目先の勝負を優先しちゃうんですよね。だから監督の全体を見渡してその役割をきちっと伝えることが大事になるんですね。
サッカーならカバーをどうするか?戦略・戦術で補えるのか?控えの投入はどうするか?などなどになっていくのでしょう。
駅伝チームは当日どうこうは難しいので、先に戦略を立て、個々を育成していくイメージを持って日々取り組みます。だから「代表監督」というのは成立し難い部分が出てきます。
こちらの記事を読んでも「デュエル」と全体の勝利に触れています。これはハリル前監督が解任される騒動の前、3月の記事です。
駅伝でも1つ1つの区間を確実に勝てても、チェンジメーカーの存在で1区間だけで勝負がつくこともあります。「山の神」がそうでしたね。全体の中で、どうその用語を位置づけるかもまた訓練と習熟に因るものだと思います。
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「監督」と言っても一概に言いにくい部分があります。箱根駅伝中心に見据えれば年間の他の試合は全て「練習」になり、勝利する確率は上がるでしょう。三大駅伝全てを見据える。他にも関カレやインカレ、トラックなどの個人戦もとなると「監督」の戦略は一本化は出来ません。
一本化しないでも「結果」を残せるチームはそれだけ強いんですよね。だから箱根駅伝を勝てなくても、東海大学は相当強いチームと言えます。
予選会校でも「箱根駅伝予選会」のみを考えるチームと、その他色々な大会を組み込みながら取り組んでいくのでは自ずと役割も変わっていきます。
選手が進路選択する時はそのあたりも見極めたほうが良いでしょうね。
また、こういった「時事用語」のような話が出た時は興味を持ち、自分なりに考察を加えていくことをオススメします!
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