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スプレッド解説:先物+カバード戦略

前回は超短期勝負が肝の「バックスプレッド」について見てみました。

そこでは
・超短期勝負であること
・相場がどちらに動くか予想できること

が重要であると書きました。

スプレッド解説:バックスプレッド

「買い」でプレミアムを取る戦略ですから超短期勝負なのは当然として、相場が上がるか下がるかの予測ができるのならば、先物で取っていく方がいいのでは?となりますよね。

先物を使う場合、やはり逆に動いたらあっさり損失が出てしまって精神的にもよろしくないので、それをオプション売りでカバーしようというわけです。

というわけで、今回は先物とオプションを組み合わせるカバード戦略についても見ておきましょう。

先物の逆をファーの売りでヘッジ

例えば日経平均の先物が21900円の時に先物を買ったとしましょう。

一般的な個人投資家であれば、先物ミニを1枚から始めるのが無難です。
ミニ1枚ならSPAN証拠金額によりますが、大体7.5万円から10万円の証拠金で1枚建てることができます。

しかも手数料はオプションが200円前後(プレミアム100円以下の場合)に比べて、先物ミニは30円~35円ですから非常に建てやすいですね。

しかし先物は当然買ったのならその後に上がらないといけません。
オプション同様SQで自動的に決済されますが、タイムディケイ(時間的価値の減少)が存在しません。つまり、きっちり相場観を当てないと利益が出せないということになります。

SQまでに「XXXXまで上がらない」「XXXXまでは下がらない」といったように、「XXXXまで」到達しなければ全てゼロ円になるオプションとは違って、先物は建てたところからきっちり相場感を当てないといけないわけです。

先物はSQでもその価格で決済されてしまいます。

でもって、先物は大体買ったら下がる、売ったら上がる・・・になるわけで、「なんで二択を間違うんだ・・・」と誰しもが天を仰ぎましたよね。(笑)

であれば、その逆に行った場合を「オプションの売りでタイムディケイを取る」ことでヘッジをするというのが「カバード戦略」です。

カバード戦略の例

・22300円の時に先物ミニ買い 1枚 LC 22100円
・09 C24250 売 1枚 25円

このような形のポジションです。
損益グラフはこんな感じになります。

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基本的に先物ミニで予め決めた利益が出たら先物ミニを決済し、ファーのオプション売りをできるだけ引きつけて建値付近で決済する形になります。

大事なのは、先物が逆に動いた場合に備えしっかりとLC(ロスカット)を入れるということです。
LC幅をどうするかは各自の投資余力や戦略によるので自身で決めないといけません。上の例は200円逆に動いたら負けを認めるというルールのもと、その200円=20000円の損失をオプションの売りで補填するわけです。

つまり先物を買ったのなら、「下がったら利益が出るオプションの売り」=CALL売りを入れるわけですね。

オプションなら20000円=20円ですから、20円~25円くらいのファーを売るということです。
SQまで日数がない場合は、期先でしっかりとファーにしないといけません。

また、15円~20円の利益が出たら欲張らずにサッサと利確します。

逆に先物の買いで利益が出た場合、こちらもどこで利確するか目標をしっかり決めておく必要があります。
仮に200円ないし300円の利益が出たら利確とルールを決めたらしっかりとそこで利益確定しましょう。

その場合、オプションでは損失が出ています。
ただし、ファーのCALL売りですから急騰か連騰さえなければ、時間経過とともにプレミアムが下がってきます。焦らずかつ欲張らず建値付近でさっさと決済しておきましょう。

また、先物売りの方も例をあげておきますね。
・22300円の時に先物ミニ売り 1枚 LC 22500円
・09 P18000 売 1枚 25円 反対売買 60円買い

という感じになります。

先物価格が上がってしまった場合に利益にしたいので、ファーのPUT売りとなります。ただし、PUT売りは常にCALL売りよりも大きなリスクを伴うので、反対売買でガードを入れておくなど、急落対策は考えておきましょう。

カバード戦略はここぞの時に使う

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カバード戦略をうまく使えるようになると、先物ミニを建てる時に安心感が出ます。
しかし、オプション売りとセットにするということは、当然証拠金の高いオプション売りのポジションを持つということです。

そしてオプション売りの決済までは時間がかかりますから、その間常に証拠金の高いリスクのあるポジションを持ち続けなくてはなりません。その間に急騰・急落になってしまうと、今度はオプション売りで大きな損失が出てきます。

ですから、チャート分析、海外勢手口、需給をみて短期的な動きに自信がある場合や、急騰・急落のあとの反発が予想できる場合などに、まず先物ミニで迅速にその動きを取りに行き、同時にカバード戦略を入れるのが鉄則です。

何となく先物でポジション取って、むやみにオプション売りを入れていると、裸売りを3-4枚抱えてしまっている・・ようなことになります。そうならないよう、まずは1本だけ入れて決済してから次・・という形にしましょう。

カバード戦略とバックスプレッドの使い分け

前回バックスプレッドについて記載しましたが、「バックスプレッド」と「先物+カバード」はどちらも短期で相場の方向を当てに行く戦略ですから、どちらを使うか迷うところです。

SQまでの残日数やIV(ボラティリティ)状況によってオプション価格は大きく変動します。ですから、バックスプレッドで有利なポジションを建てるには経験が必要です。

一方で先物にはそういう面倒な要素は一切ありません。
ですので、迅速にポジション形成したい場合は「先物+カバード」がいいでしょう。

逆にバックスプレッドのシミュレーションを繰り返して、いい形&いいプレミアムが見つかれば「バックスプレッド」にすることで「先物+カバード」よりも安定を実現できます。

いすれにせよ、ロスカットや迅速な決済が必要なのは共通です。

いきなりポジションを持つのではなく、デモトレードでイメトレをしっかりした上でトライしてみてください。
このド短期勝負戦略を使いこなせれば、限られた資金を効率的に回せるようになります。勉強する価値はありますので、ゆっくり身につけていってくださいね。

カバード戦略 まとめ

【先物買いの場合】
先物ミニ 買い1枚 + ファーCALL売り 1枚

【先物売りの場合】
先物ミニ 売り1枚 + ファーPUT売り 1枚

それではまた!

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