全然成長しないじゃん！って思った時に読むnote

最近、マーケティングの勉強をするため、USJをV字回復させた立役者、森岡毅さんの著書を読んでいるのですが、その中では、キャリアについても書かれています。非常に愛情深い本だなと思い、これから未来に向けて成長する人に向けてたくさんのマーケティングにとどまらず多くのメッセージを発信されている方でした。
その中で、森岡さん自身の経験を踏まえ「なぜ人はなかなか変われないのか」というテーマについての話があります。
今回は、そのテーマについて紹介したいと思います。

「変わりたい。」「変わります。」という言葉はよく聞きますし、自分でも「〜なろう！」とか「〜ができるようになるぞ！」って決めたりすると思いますが、実際変化を感じずに諦めている人が本当に多いなと感じます。
人間の行動がなかなか思ったとおりにすぐに変わらないのはなぜなのでしょうか？

まず、「行動」というものがどうやって生み出されているのか、その構造から理解してみましょう。

人間の行動は、画像のように一番外側から
Behavior（行動）＞　Skill（技術）＞　Mindset（意志・心構え）＞Value（価値観）
という構造になっています。
内側のものが、外側のものを支配していますが、ValueによってMaindsetが影響され、MindsetによってSkillが影響され、SkillによってBehaviorが影響される関係にあります。
価値観とは、潜在意識内のものであり、普段から意識して行動している人はいません。でも、私達の行動は、実際には顕在意識よりも潜在意識に支配されており、行動を変えるには、その潜在意識レベルでそれを欲する必要があるのです。

また、人からも自分からも見えるのはBehavior（行動）だけであるのも特徴です。
例えば自分から見てすごい成果を出している人が居たとします。その人の成果を出している姿は目に見えていますが、その内側にはSkill（技術）という、努力により蓄積された確かな技術があります。さらにそのSkillは、成果を出そうとする意志があったからこそ、苦しみながらも努力を続け習得されています。そしてその意志を支えているのが、その人のValue（価値観）なのです。

人間のValue（価値観）を変えることは非常に難しいとされています。その人のMindsetは、どうしてもValueに抵触しない範囲に限定されてしまい、その人の価値観に矛盾する心構えを持つことは難しいのです。
ですので、Mindsetが変わらなければSkillは獲得できませんし、Skillがないと、ここぞという時に適切な行動を取ることはできません。
自分の行動を変えたいとき、あるいは誰かの何らかの行動改善を促したい時に、行動だけを見るのではなく、その内側にあるスキルやマインドセットの階層をしっかりと洞察しなければいけません。
スキルは足りているのか？
そのスキルを身につけるだけのマインドセットができているのか？
などです。

弱点をどうしても克服したくて、自分を変えようとしても変われないと悩んでいる人が居ますが、人が変われない最大の理由は、「変われない自分にがっかりしてしまうこと」です。Mindsetは変わるときには一瞬で変わります。「変わろう！」と本気で決意した瞬間に変わっています。
しかし、SkillやBehaviorはすぐに変わりません。変わるわけがないのです。
長年に渡って染み付いたクセというものがありますし、Skillは努力して積み重ねることでしか身につきません。
だからこそ最初はうまくできなくて当たり前なのです。
自分の期待通りの行動が取れるわけがないのです。

それでも、めげず、何度も何度も繰り返し、意識した方へ自分の行動を矯正して、努力を続けていくことで、行動を変えることができるのです。

思ったとおりにならなかったから、なかなか変われないからといって、自分自身に失望したり、周囲から失望されたりすると、弱点克服の努力を継続するが難しくなります。

本当に変わりたいと願うなら、最初からすぐに変われないことを当たり前のこととして認識し、「覚悟」を決めることです。

多くの人は、この意識の変化と行動の変化のタイムラグに耐えられず、諦めて永遠に変わりません。
できる人とできない人を隔てる境界なんてものは、本当はこの「覚悟」だけなのではないかと私は思います。

大前提、「変わる」ということは、大変難しいですが、すぐに変わらないからといって自分に落胆したり、自分を諦めてしまうのはもったいないです。

仕事では、うまくできないことが山のようにありますし、仕事のできる人を見て「自分はどうしてこんなに仕事ができないんだろう」と落ち込むこともあります。
知識やスキルが一瞬で付くわけなど無いので、自分より「できる」人を見つけたとして、その人がしてきた努力を自分もしないと習得できないと言うだけです。
何事も、一朝一夕ではいかないこと。「ほんとに変われるのだろうか」という思いを乗り越えやり続ける粘り強さが必要だということを覚えておいてほしいと思います。