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どこまで行っても他人

他人はどこまでも行っても他人。恋人も友人も、家族ですらも他人。本当は自分以外を信じるべきではない。人に期待もしない方がいい。そう簡単に人は変われない。

生きていくうちに、そういう真理に気づいていく。でも、いくら他人と言えど好きになってしまうし、信じてしまうし、期待もするし、変わってほしくて説得したりする。無意識の中にそれはあって、言い聞かせても動かない。人間らしさとはこういうことを言うのかもしれない。

期待とぬか喜びと妄想はしない方が傷つかずに済む、と気づいたのは小学生の頃だった。人生の中での三つの禁止事項として記されたけれど、結局一度も守ることはできずに大人になった。たしかに、その分傷つくことは多かった。でも、その傷があったからこそ進めた過去がある。

21歳になってもなお、所詮他人である恋人の気持ちを考えて泣いたりしてしまっている。どこまで行っても他人、それでも少しでも知りたいと、信じたいと思う。知ってほしいし、信じてほしいとも思う。私はまだ人間らしさを捨てたくない。

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