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ツバメの季節に思い出すこと

今年もツバメがやってきた。
最寄り駅に着くと、高速で飛び交う姿が見かけられるようになり、駅の中でもツバメの鳴き声のようなさえずり(姿が見えなかったが多分ツバメ)が聞こえるようになった。

そんな時に思い出すのは、はるか昔の小学校1年生の時のこと。

当時、絵日記の宿題でツバメのヒナのことを書き、ツバメの絵を描いたのだ。
絵日記は好きだったので嬉々として書いていたはずなのだが、ツバメの絵を描く時に大失態をおかしたのだ。
ツバメの形、色の構成は分かっていたが、赤色を間違ったところに配置してしまったのだ。

当時の優しいおじいちゃん先生に
「とてもよく描けていますが、ツバメは丹頂のように頭が赤かったですか」
と言われたのを声とともによく覚えている。

絵を描くのが好きだったので、その好きなことの不完全さを指摘されて、すごく不甲斐なくとても恥ずかしい思いをしたのだ。
もちろん、不甲斐ないなどという感情の意味はその時は分かっていないが、今でもあの恥ずかしさと自分に対してのなんとも言えない気持ちでカッとしたのを思い出す。

当時の言い訳としては、ツバメはものすごく早く動くので、よく見えていなかったというのもあった。
でも家には図鑑もあったし、その他にもツバメのイラストがある本もあった。
帰ってから言うまでもなく、ツバメを図鑑で確認して喉元が赤いことを確認した。

そこから、自分の固定概念で仕上げるのではなく、ちゃんと観察して、もしそれでも分からなかったら調べようと、強く強く思っただった。
その思いは今でも続いているので、幼い時にあの強い感情が自分の一部になったんだなぁと思う。

そんなわけで、ツバメを見るたびに赤い喉元を確認してしまうのであった。

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