見出し画像

「二人の天才 月岡芳年 葛飾北斎」@大阪浮世絵美術館

友人に誘われて年の瀬に行ってきたこの展覧会。
2人ともにとって初めての美術館で、まさか心斎橋の街中ど真ん中にあるとは思わず、ちょっとびっくりしました。
観光客が行き交う中、階段を上りながら、外国人観光客をも狙っているのかしらと思ったり。

ということでこちらの展覧会です。

なかなかこじんまりとした美術館だし、あまり美術館っぽくない雰囲気ではありましたが、じっくりと見ることができました。

チケットを買ってまずびっくりしたのが、ルーペを渡されたこと!
今までルーペを渡された美術館に遭遇したことがないので、「ん?」となりました。
「匠の技をじっくり見てください」と言われ、壁に飾ってある絵をルーペでのぞき込むのは、なんだか探偵っぽかったです。

どういう団体が運営されている美術館なのか分からないのですが(HPでもよく分からず…)、こじんまりとしているためかきめ細かな応対をしてくださりました。

今回の展覧会では月岡芳年と葛飾北斎がメインのようでしたが、どちらかというと月岡芳年の方が印象的でした。
なんというか、北斎の作品はあまりに世の中に出回っているせいか「ほうほう」という感じで終わってしまう気がします。
その点、月岡芳年はまだ見たことのない作品もあれば、浮世絵技術がものすごい発展した果ての時代という感じで、刷りの技術がすごい!と感嘆させられるものも多かったです。

今回、一番「おおお~~~」となったのは正面摺。
色をのせずに摺る空摺は、以前行った「THE新版画」でもあますことなく見たものでしたが、こちらは更に艶を出すように摺ったとのこと。
そうすることによって、光の当たり具合で、光を反射して光るところと光らないところで模様が出るようになっているのです。

月岡芳年《月百姿/忍岡月》1889年頃

例えばこちらの作品だと、普通に見ると人物は真っ黒な着物を着ているのですが、光をあてるとこの写真のように柄が見えるのです。
因みに、これは美術館で売っていたポストカードなのですが、ポストカードのために写真を撮るの大変だっただろうな…なんて思ってしまいました。

こちらを見る時に美術館の人がさっと来てくださって、正面摺の説明をした後、絵を傾けてくださりました。
そしたら柄がばーーーっと出てきて、思わず「わーーー」と声をあげてしまいました。
それくらい感動ものでした。

改めて浮世絵って飾るアートではなくて、手に取って愛でるアートだなぁと思いました。


あと歌川貞秀の《大坂名所一覧<九枚続>》は、関西在住の人であれば楽しい一枚だったかも。
大阪と言いながら、神戸や京都まで見渡せて、あーーあったあったとなるのが楽しかったです。
ちょっと上の方に飾られていて首が痛かったけれども。


そんな感じで楽しんだ後、ミュージアムショップに行けば、本物のアンティークな浮世絵が!
これこそ外国人とか喜んでお土産に買いそう~と思いました。そんないうほど高くないし。

その日は別の場所にも行く予定でしたが、とんでもなく寒いうえに、この大阪浮世絵美術館が思いのほか充実していて満喫したので、お茶した後に解散したのでした。

いいなと思ったら応援しよう!