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素人が上手に剪定するには 〖Part1〗

フリーランスの庭師です。

今回は、庭師ではない一般の方あるいは庭師を目指している方への話です。一線で活躍されている庭師の方々には『釈迦に説法』なので、スルーして下さい。

さて、私も庭師歴が20年を超えました。まだまだ剪定がヘタクソだと思っていますが、お客さんから剪定の仕上がりでダメ出しをもらうことはない位にはなりました。

その程度の私が剪定について書くのもどうかとは思うのですが、初心者へ向けてなら良いだろうと思い書き始めました。今回は Part1 です。知識 と 道具についてお話します。

先ずは知識について。正直に言うとある程度の知識は必要です。道路にはみ出している邪魔な部分を切れば良いというなら知識は必要ありません。ですが、綺麗に切りたいというなら話は別です。

また「剪定をしたら木が枯れた!」なんて事もあるので、やはり知識は持っていた方が良いです。

庭木はどれ一つ同じものは無いので、これが正解というのはありません。ただし何事もそうであるように基本はあります。

それは「要らない枝を切る」と言う事です。当たり前の様ですが、この『要らない枝』が分かるかどうかが庭師と素人の違いです。

剪定をする上に於いて、どんな庭木でも根本的に要らないか枝があり、それを『忌み枝』と言います。先ずはこれを知っていた方が良いです。それは学ばなくては分かりません。

なので、剪定を続けていくつもりなら、剪定のやり方が書かれている本を一冊買いましょう。

どんな本を買えば良いかですが、正直に言えばどれでも構いません。どの本も書いてあることは余り変わりませんから。本屋さんで色々と見て、自分が読みやすい本を選ぶのがベストです。そうでないと飽きてしまうからです。ブックオフ等の古本屋さんで購入するのも手だと思います。


次に道具です。

庭木の手入れをするには道具が必要ですが、我々庭師は様々な道具を使っています。

ですが、全部を購入するのは大変なので、最低限必要なものを列挙します。

・剪定バサミ (ケース含む)
・剪定ノコギリ

最低限必要なものと言うのは、つまり腰に下げる道具です。我々は腰道具と呼んでいます。

造園では色々な鋏(はさみ)があります。剪定鋏、木バサミ、芽切りバサミ、片手刈込バサミ。取り敢えずは剪定鋏を購入しましょう。

ホームセンターで売っている ¥1,000位の安価な物もダメではありません。最初は切れ味は悪くないですから。ただし材質が安価なものを使っているので直ぐに切れ味が落ちます。

お勧めは岡恒の剪定バサミです。(持ち手の部分が白と赤の鋏です。)

この剪定鋏は殆どのホームセンターに置いてありますし、ネットでも簡単に見つけられます。比較的安価な割に良く切れ、コスパが良いです。

大きさも何種類かあります。180mm、200mm、230mmとありますが、一般的な200mmがお勧めです。

岡恒以外を選ぶなら、基準となるのは手に馴染むかと言うことです。握った時にしっくりするものを選びましょう。

私も庭師になって初めて買ったのは岡恒の剪定鋏です。ただし今は別の鋏を使っています。岡恒は良い鋏ですが、私の手に馴染まなかったので。


次に剪定ノコギリですが、刃の長さが色々とあります。20cm、24cm、27cm、30cm …。
標準となるのは24cmなので、これを選ぶのが無難です。替刃も入手しやすいので。

また、刃の細かさ荒さの違いもあります。
目の荒い『粗目』、目の細かい『細目』、そして中間の『中目』(万能目と名付けている場合もあります。)

庭師の多くは粗目を使っていると思います。太い枝もザクザク切れるので。ただしその分力も必要なので、お勧めは中目です。

我々は細目はあまり使いませんが、竹を切るときは細目 (竹引きと呼ばれるもの) を使います。

余談ですが、大工さんが使うノコギリは基本的に細目です。木材を切るのには適しているからです。庭師が切るのは生木なので、やはり粗目となります。

では、どこのメーカーが良いかですが、これは好みになります。一番なのは、剪定鋏と同じで手に馴染むかです。刃の薄さも色々とあるので、試してみると面白いです。


今回はここまでです。

まとめると最低限の知識を持つこと。そしてある程度の道具を用意することが大事です。

ここまで読んで頂きありがとうございます。次回は少し違う切り口で話します。

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