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ART memo. 2022-vol,3

Leandro Erlich
『Swimming Pool』
金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館の常設作品でも有名な
『Swimming Pool』
知っている方も多いと思います。

プールでありながら
水は水面にあたる部分に
ガラス上10cmの水が張ってあるだけ。
水中にあたる空間に入れるという
環境を作り出した。
見て理解はできるけど実際に体験してみて
自分の不思議な感覚✨
新しい感情✨
に出会える。

固定観念を鮮やかに覆す彼の代表作は
新しい体験をもたらしてくれる。

Swimming Pool
Swimming Pool
Swimming Pool

この作品は、内部にも入り込める。
中からは、
水族館にいるような
水中に造られたカフェ空間など
世に出ている水中の空間でありながら
そこが誰もが体験したプールであるという
固定的な条件にあることで
違和感を生む。
新しい遊びを見つけた
子供の様な感覚✨さえ沸き起こる。

Swimming Pool

外からは、
そこがプールであるという認識と
その中に人がいる事には違和感を覚えないが
何かが違和感。
そう、水中の人の動きがスムーズなのだ。

Swimming Pool
Swimming Pool

✣ 作品概要 ✣

光庭のひとつに設置されたプール。ライムストーンのデッキが周囲を縁取り、ここから波立つプールを見下ろすと、あたかも深く水で満たされているかのように見えます。実際は、透明のガラスの上に深さ約10センチの水が張られているだけで、ガラスの下は水色の空間となっていて、鑑賞者はこの内部にも入ることができます。プールを見下ろして水の中に人を見つけたときの驚き、内部からの水上を見上げる眺めといった多様な経験が展開される本作品は、あたりまえの日常の感覚を揺さぶるとともに、一旦仕掛けに気づいた人に作品との積極的な関わりを促し、さらには、見る人同士の関わりをも生み出すことになるでしょう。

21st Century Museum of Contemporary Art. Kanazawa

✣ Leandro Erlich ✣
レアンドロ・エルリッヒ

建築を学んだ後にアートの世界へと活動領域を広げ
現在もっとも注目されるアーティストのひとり。

Leandro Erlich

レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich、1973年[1] - )は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス生まれ[1]芸術家現代美術家。人間がどのように事象を捉え、空間と関わり、現実を把握していくかを追求する作品を多数発表している。
作品の多くは建物の一部などの立体的な造形で、錯覚の利用や、鑑賞する行為自体が作品の一部になる体験型となっている。例えば、作品『建物』は、建物の外壁や窓を床上に再現して人が立ち入り、それを斜めに傾けた鏡に映すと、人が建物を這い上ったり、壁に立ったりしているように見える[2]
日本においては金沢21世紀美術館に常設されている『スイミング・プール』が有名である。また2017年には過去最大規模の個展が森美術館で開催された[3][4]。 前橋市白井屋ホテルの一室も手がけた[5]。2021年12月には十和田市現代美術館に『建物─ブエノスアイレス』が常設展示されるようになった[6]

Wikipedia

作品紹介

人の知覚を揺るがすような作品を通してエルリッヒは
我々がどのように事象を捉え
空間と関わり

そして、
現実を把握していくかについて探求しています。
知覚や認知といった問題を扱いつつも
科学的実験の厳密さではなく
ユーモアとウィットに富んだ
だまし絵のような手法によるエルリッヒの作品は
作品を体験する人同士の関係を解きほぐし
人々が共有できるを生み出します。

金沢21世紀美術館のプールや
越後妻有里山現代美術館のトンネルなどの
常設作品のほか
鏡などを利用して
観る側を巻き込む作品で人気が高い。
近年、
日本だけでなく
台湾・韓国などアジア地域での
展覧会が加わってきた。
世界各地で実現している参加型の
「ル・バチモン」など
日本国内でよく知られた作品を
観るだけでもその多様なアイデアに驚かされる。

✣ The cloud(Japan) ✣

『雲の博物館の様な作品』
薄暗い展示室内にふわっと浮かぶ
日本の形をした白い雲は
2014年にアートフロントギャラリーで発表した
『雲』シリーズの作品。

title: 雲(日本)2016
size: 199.5x205x81cm 

medium: 高透過ガラス、セラミックインク、木材、ライト 
(Photo: Hasegawa Kenta , courtesy : Mori Art Museum, Tokyo, Japan, 2017)
title: 雲 (森美術館展示風景、2017年) 

size: Japan, UK : 199.5 × 205 × 81 cm / France, Germany : 199.5 × 160 × 81 cm 

medium: 高透過ガラス、セラミック・インク、木材、照明 
(Photo: Hasegawa Kenta , courtesy : Mori Art Museum, Tokyo, Japan, 2017)
title: 雲 (森美術館展示風景、2017年)
size: Japan, UK : 199.5 × 205 × 81 cm / France, Germany : 199.5 × 160 × 81 cm 

medium: 高透過ガラス、セラミック・インク、木材、照明 
(Photo: Hasegawa Kenta , courtesy : Mori Art Museum, Tokyo, Japan, 2017)

フランス、ドイツ、イギリスのブリテン島、日本の
国の形を雲に見立てた作品《雲》。
空を見上げて形を変え続ける雲に
人は様々な想像を反映させてきました。
一見すると幻想的な美しい作品ですが
雲は常に動き続けており本来、形の無いもの。
同じく地形も常に動き続けている
国土の大きさや形・国境などの境界線を引いたのは
人間なのだ
ということを改めて気付かされます。

東京,霞ケ関駅(東京メトロ)に直結している飯野ビルディング
撮影=本誌・武蔵俊介

このエルリッヒのパブリック・アートは東京でも見ることができる。
霞ケ関駅(東京メトロ)に直結している飯野ビルディング1階ピロティにある防風スクリーン「Cloud」
側面から見ると10枚のガラス板を重ねているだけである。雲が徐々に拡がり、また元にもどるようにセラミックインクで各ガラス板に段階的に描くことで、それらを重ねるとあたかも雲が浮かび上がっているように見える。
夜は内蔵するLEDライトでまた異なる表情を見せる。

家庭画報.com 2020年9月

森美術館で開催されたエルリッヒ大規模展では
非常に大型の雲が4体展示室に並んだ。
テーマは『見ることのリアル』


社会構造を批判する作品から、感じ取れること
エルリッヒの作品の一番の魅力といえば、鑑賞者に驚きに満ちた体験をさせてくれる点に他なりません。ですが、彼の作品に込められた批評的なメッセージを読み解けば、もっと深い感動を覚えるはずです。
なぜ今の時代に疑う視点を持つことが重要なのか
同展の副題には「見ることのリアル」とあります。エルリッヒさんは展示に向けて「習慣や既成概念は恐ろしいほどの耐久性で、私たちがおそらく気付かないくらいに、私たちのリアル、現実認識をコントロールしている」と語ったそうです。今、ネットという仮想空間が多くの情報を与えてくれますが、虚実の入り混じる情報の中から私たちは毅然とした態度で取捨選択をしなくてはなりません。だからこそ自分なりの価値基準を持つ重要性を伝えたいといいます。
この常識を疑う観点を持つという点で、彼の作品は仕掛け自体を見せていることも大きなポイントだといいます。
エルリッヒが扱うモチーフはどれも、日常で見る場所や建築、窓、階段などです。私たちが当たり前のように過ごす世界のあらゆるものは全て、人為的に作られたものに過ぎません。過去100年においてテクノロジーの進歩が進み、ここ20年でSNSやIT技術の進化は著しく、人の感じるリアリティも急速に変化しました。
それをただ享受しているだけでいいのでしょうか? 彼はネット社会の危うさにも目を向けるきっかけになって欲しいというのです。
会場に入ると初めに、船出の意味も込めたという《反射する港》が待っています。エルリッヒさんがマジックをかけた驚きに満ちた作品の世界へ飛び込んでみてください。インスタレーション作品を通したアナログな体験は身体の感覚を呼び起こし、常識が反転した空間が新しい価値観や視点を与えてくれるはずです。

認知を疑え!「レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル」
2017年12月1日

バーチャルリアリティー(仮想現実)が
日常に浸透している現代にあって
エルリッヒの作品は鑑賞者に
生身で体験する大切さや面白さ
感じさせてくれます✨
今日から
貴方の価値基準を取り戻していきませんか?
貴方だけのリアルで生きる楽しさを
始めましょう









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