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11/8 東海シクロクロス 観戦

東海シクロクロスをお酒片手に観戦してきました。

最近、ぼくが夢中になって聞いているside by side radioで、稲城FIETSクラスアクトに所属しているZaiko選手の奥様きょうこさんが「自転車レースを観ながら飲むビールは美味い、シクロクロスは特に美味い」と仰っていて、これは一度試してみる必要があると感じていました。

というのも、最近は自分がクラフトビールに夢中だからです。

話は遡ること数か月前、夜練仲間のY田くんが夏ごろから急に夜練へ来なくなり、わけを尋ねると「最近はクラフトビールにハマって自転車どころではない」と言うのです。
地ビールブームはなんとなく幼い記憶として覚えていますが、銀河高原ビールが経営破綻したニュースもあった通り、一時期の勢いはない認識です。ところが世間では地ビールに代わって、「クラフトビール」が流行っているとのこと。しかも、ヴァイツェン・ペールエール・ピルスナーという数あるビールの種類の中でもペールエール、特に大量のホップを効かせた「IPA(インディアン・ペールエール)」がアツいとのことでした。
早速、週末に市内の専門店でY田くんから勧められるまま流行りのIPAを飲み漁ったのです。

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IPAは、18世紀末にインド在住のイギリス人にペールエールを送るため造られたそうです。海上輸送中に傷まないよう、防腐剤の役割を持つホップを大量に投入したため、香りと苦みが非常に強いビールとなっています。

自分はこれまで、"苦み"がビールを敬遠する理由の一つでした。日本国内で一般的に売られているどのビールよりも苦いIPAなんて絶対に合わないと思っていましたが、飲んでみるとあら不思議、苦みこそしっかりあるのに飲みやすく、ぐびぐびと飲んでしまい、いつの間にか二缶目に手が伸びていました。
Y田くんの狙い通り、すっかりクラフトビールに夢中になってしまった僕は翌日から各地ブルワリーの直販サイトでIPAを買い漁ったのでした。

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大好きなクラフトビールを飲みながらシクロクロスを観戦したら最高だろうな!ということで、ビールを飲みながらレースを観戦する計画を立てました。Y田くんを誘うと「いいですね」と快諾したので話はすぐにまとまりました。
しかし、ここで問題が発生します。
というのも、酒を飲む前提の僕たちには会場までの交通手段がないのです。
選手にわざわざ遠回りして脚をお願いするのは気が引けます。シクロクロスには参加しないけど、ダメ元でF谷くんにお願いしたところ、快く了承してくれたのでありがたく乗せてもらうことにしました。

朝4:00に起きてローラーに乗ります。
今日はとにかく飲酒をする予定なのですが、少しでも自転車に乗らないと不安になってしまうのはホビーレーサーあるあるだと思います。
L4強度以上のインターバルをやるつもりはあまり起きず、SST強度で40分だけ踏みました。

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クーラーボックスに酒を売るほど詰め込みます。もはや酒を片手に観戦するのではなく、両手いっぱいに酒を抱えての観戦になってしまいました。

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集合場所のコンビニからお酒を飲み始めます。
今日はとことん駄目になるべき1日なのです。

会場へ到着して、駐車場から東海シクロクロスのコースまで徒歩で移動します。
クーラーボックスがずしりと重たくて手が痛いです。
Y田くんに「ちょっと持ってくれん?」と頼みましたが「絶対に嫌です」と断られました。少しくらい持ってくれても良かったのに、ひどい話です。
「一度持ったら二度と代わってくれないので嫌です」と言われました。
よく分かってるじゃないか。

いつもホビーレースへ参加するときは基本的に自転車に乗って移動するため、駐車場から徒歩で移動する大変さなんて考えたこともありませんでした。自転車レースの観戦って大変なんですね。朝から思いがけずひと汗かいてしまいました。
どう考えても選手のほうが大変ですが。

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場所を確保して設置完了です。
今回、この日のためにアウトドア用の椅子を購入しました。
レース前から、練習仲間のみなさんにお集まりいただけて嬉しかったです。

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シクロクロスレースは、オフロード種目ではありますが、ロード選手が冬のオフトレとして参加することも多く、地元のホビーレーサーが各カテゴリーに多数参加しています。そのため、有り難いことに会場でのおしゃべり相手には困りませんでした。
(というか、みんな酔っ払いの相手をしてくれてあんがとね)
前日の雨で路面がぬかるんでおり、どのバイクも試走時点でかなりドロドロに汚れていましたね。

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さて、はじめますか。

一杯目にはサントリーのTOKYO CRAFT I.P.A.2020を選びました。
昨今のブームに乗じて大手メーカーもIPAを発売するようになりました。
これはあまり美味しくなかったな。なんというか、味が濃くないし苦味ばかり目立ってイマイチです。
安価なのはメリットですが、大手メーカーの本気はこんなものではないはず。次回作に期待。

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シクロクロスのレースがエリートカテゴリーですら60分間と短い理由は、常に最大心拍で走り続けることになるため、1時間しか持たないからだそうです。平坦基調のコースでありながら舗装路と未舗装路が混在する難しい路面コンディションに厳しいコーナー、そして障害物が連続するため心拍を下げるポイントがほとんどないのがこの競技の最もしんどいところ。

自転車競技であれば本来押し付け合いになる先頭選手の空気抵抗もこのシクロクロスではロードレースほど大きな意味はなく、むしろ前の選手を抜けるラインが少ないことのほうが多いため、ただひたすらに先頭を奪い合うサバイバルなレース展開が多いのも見ていてわかりやすいです。

僕が日頃から親しんでいるロードレースであれば、集団内で空気抵抗を受けず涼しい顔をしている選手、また先頭であっても展開上ペースが落ち着いているため楽そうな表情の選手が多く散見されます。
しかしシクロクロスレースでは、すべての選手がしんどい顔をしているのです。

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ロードレースは集団からちぎれた時点でレースがほとんど終了してしまい、完走ですら特に意味を持たないことも多いですが、シクロクロスの良いところは先頭から離れてしまってもレースが終わらないことです。もちろんレースで1位になることやカテゴリーを昇格することは素晴らしい目標ですが、シクロクロスのリザルトは短いレース時間にも関わらず実力通りの順位になりやすく、すべての選手にそれぞれ最後まで全力を出し切る理由が十分にあります。そのため、観戦する僕たちもすべての選手に躊躇なく声援を送ることができるのです。

確かにシクロクロスレースは、最高の酒のアテです。

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はい!早くも2本目!

静岡県用宗にあるWest Coast Brewingが生み出す極上の国産IPA
"Starwatcher"
国内クラフトビールブームを牽引するブルワリーのひとつであるWCBの原点にして至高のIPAです。僕がクラフトビールに夢中になったきっかけでもあります。
使用するホップは定番のシトラ・シムコー・モザイクですがバランスが極めて良く、さらに用宗の名水で非常に丁寧に作られているため嫌な雑味が一切なく、スッキリとしながらも非常に香り高いIPAとなっています。
ホップの選択や醸造法で各ブルワリーが独自性をこれでもかと発揮するため、人によって好みがハッキリと別れてしまうところがクラフトビールの面白い点であり難点でもあると思いますが、これは色んな人におすすめしやすいビールだなと思っています。
レース会場でこれを飲んでいる僕は天体観測家(Starwatcher)ではなくシクロクロス観測家(Cycrocrosswatcher)ですね。

そうこうしているうちにレース開始、女子の部そしてC4カテゴリーへと。

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C3LではK美ちゃんが奮闘。
結果はふるいませんでしたが、初シクロクロスお疲れさまでした!
ロードバイクではその辺のおじさんなんて軽く千切ってしまう恐ろしい脚力の持ち主なので、近いうちに昇格してくれると期待してます。

さて、レースが始まって間もないにもかかわらず、お酒がかなり回ってきてしまいました。
それもそのはず、観戦拠点からレースのスタート地点は多少の距離があり、コースの周囲をお酒を片手に走り回っていたからです。

C4のスタート地点で最も応援したのはこの3選手

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夜練等でお世話になっているS澤さん、D井さんと地元のトップホビーレーサーのひとりであるI手さん。
ロード競技では言わずと知れた実力者である彼らのような選手であっても、最初は一様にC4カテゴリーからスタートするという厳密なシステムがシクロスクロス競技の厳しさであり、素晴らしさとも言えるでしょう。

全国のシクロクロスレースが統括団体であるAJOCCによってカテゴリー管理されているので、各選手はカテ昇格するために必死です。
そして、先に書いたように先頭から遅れてしまっても自分のベストを尽くすためによりひとつでも上の順位を目指して真剣に踏みます(シクロクロスはスタート順が大切で、獲得したポイントが次戦からのスタート順に関係してくるからです)。
その結果、すべての選手が一様にしんどい表情をしています。

そう、皆さんのしんどい表情が僕たち観客にとって最高の酒のアテです!

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はい!3杯目!

うちゅうブルーイングのDARK MATTER IPAです。
日本一入手しづらいブルワリーといえばうちゅうブルーイングではないでしょうか。生産者のビールの醸造に集中したいという熱意がすさまじく、購入を抽選制にすることすら手間がかかると断っている醸造所です。
そのため、公式通販サイトがひたすら毎週決められた発売時刻の購入ボタン早押しゲームとなっています。驚くべきことに、これは酒屋向けの業販でも同じシステムだそうです。
自分も午後6時55分からひたすらブラウザの更新ボタンを押し続け、なんどか挑戦することやっと購入できました。

うちゅうブルーイングのビールには毎回独自のテーマが決められており、今回のDARK MATTER IPAは「宇宙に偏在する暗黒物質を表現するためダブルドライホッピングをしました。暗黒物質的アロマティック!」とのことです。

何がなんだかよくわかりませんが、アメリカンIPAのレシピをベースにホップをより効かせている一杯だそうです。
確かに、華やかな味わいと柔らかい苦みがとても美味しい。でも、僕には少し酸味が強いかも知れません。

あっという間に飲みました。

レースに戻ります。

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C4Aカテゴリーは、今年からシクロクロスに参戦したばかりの強豪ロードレーサー3人が中心となってレースが進行します。

夜練でいつもお世話になっているS澤さん(僕たちは敬意をもって"S澤先生"と呼んでいます)は道中は3番手をキープ。しかし前の2選手と比べてペースがあがらず厳しい展開、そこを序盤で出遅れたI手さんが猛追してくるという展開。3人までが昇格ラインなので知り合い同士(ロードでは同じチームにも所属)の熱いバトルが勃発です。

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レース後半でS澤さんついに捉えられてしまう!夜練の"生徒"としては非常に残念!しかしI手さんもさすがの強さ!

圧倒的に速かったのが初参戦のD井さん。抜きどころの少ないシクロクロスはスタート順も大事ですが、初参加でポイントがないため最後尾スタートながら、あれよあれよという間にトップを快走。ペースは全く衰えることがなく、みるみる後続との差を広げていきます。

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文字通りの圧勝でした!昇格もおめでとうございます!
今後のシクロクロスレースも期待しちゃいますね!

C4Bでは、ゆる練でご一緒させてもらったことのあるO島さんが出走

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結果はふるいませんでしたが、最後まで諦めずに踏んでいらっしゃいました。
お疲れさまでした!

ここで僕はフードブースでパスタをゲット。

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名駅南で有名な喫茶店BUCCYO COFFEEを営む筧さん(本人も強豪シクロクロッサー)をはじめとした有志の皆さんのおかげで、屋外でもこうした立派なフードを食べることができます。
いつもありがとうございます。

美味しいフードとお酒で、さらに僕はでろんでろんぐでんぐでんの様相を呈していきます。

このあとも何本かビールを飲んだのですが、写真を撮ってないうえ、味も何飲んだかも覚えていないので割愛します。(だめだよそんなの)

さて、C3

C3はC4以上に知り合いが沢山出場するカテゴリー

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静岡からN村さん、S口さん、そして練習仲間のH岡さん、O鈴くん、T木くん。Twitterでは少しだけやり取りした程度で当日はじめてお会いしたK田さん(もう勝手に知り合いに加えさせていただきました)。

そして、どれだけ画像フォルダを探してもH原くんの写真が見つからず。
H原くんごめんね!

みんな頑張れという感じ。

序盤は、S口さんがいい感じ!それを追うT木くんとK田さん、少し遅れてN村さん。O鈴とH岡さんはちょっと出遅れたか。

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しかし、S口さんは後続に捕まり、レースはT木くんN村さんのデッドヒートになりました。
最後の最後で抜け出したのは

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T木くんでした。
ロードレースではこの地域でも指折りの実力者である彼ですが、まだわずか2戦目でC2に昇格です。強すぎる。
基本的にこのあたりから本格的に酔っ払っていてレース内容がうろ覚えなので、詳しくは彼のレースレポを読んでください。

覚えていたことといえば、レース後にT木くんのお母様が近くにいらっしゃったので、「〇〇くんすっごいすね、ほんとすごいっすね」とひたすらべた褒めしてたことですね。お母様としては息子がべた褒めされているのでそこまで悪い気こそしなかったとは思いますが、褒めているのがべろんべろんに酔っ払ったおっさんだったので基本的にウザかっただろうなと、少し反省している次第です。はい、すいませんでした。

さて、CM2に出走したのは練習仲間のパパライダーことA井さん。
昨年は地元のエンデューロレースで共に表彰台に登っています、今シーズンも鈴鹿のエンデューロで同じチームなのでよろしくお願いします。

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結果は振るわずでしたが、お疲れさまでした!
仕事をして、子育てをしてのレース活動は社会人ホビーレーサーとして本当に尊敬するところがあります。

レースの感想が急速に薄くなっていって申し訳ないです。
何度も書いてますがレース会場をお酒片手に走り回ってかなり酔っ払っています。
このままラストまで覚えている限りの観戦レポを書いていきます。

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地元ホビーレーサーでも最強クラスの呼び声高いK閑さんはC1へ出走。
途中パンクで大きく順位を下げてしまうもバイクを変えてリカバリーするところはさすがC1レーサー。お疲れさまでした!

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C2とCM1も知り合いが多いカテゴリー。

CM1のY崎さんはなんとロードバイクにグラベルタイヤを履いての出走。この機材で昨年CM1まで昇格してきたのはさすがの実力。ポジションが完全にロードレーサーです。
C2のY田さんは地域でも指折りの実力者ですが、今回は惜しくも8位。そしてS藤くんとK野くんのM大学OBコンビも初戦で結果を残すことはできず。お疲れさまでした!

最後まで沸かせたのはO田くん。MTBからロードまで幅広く嗜む彼にとってシクロクロスはお手の物といった感じ。素人目に見ても走りが段違いで上手。ただ、結果は惜しくも昇格ならずの4位。3位から15秒差かな?とても惜しかった!

しかし、シクロクロッサーの皆さん、レース後はいい感じに出し切っていい表情してました。彼らの顔を見ながら飲むお酒もまた美味しい!(ひどい)

最もいい表情を見せてくれたのはO田くんでしょうかね?
昇格目指して踏み続けて踏み続けてこの表情!

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皆さんよく頑張りました!次戦も頑張ってください!

(圧倒的に上から発言してしまいスイマセン)

シクロクロスをお酒のつまみに1日はしゃいでとても楽しかったです。

運営をしてくださった岐阜車連の皆様をはじめ関係者の皆様に感謝申し上げるとともに、いいレースを見せてくださった選手の皆様に拍手です。

こんなに楽しいならなんでもっと早くからシクロクロス観戦をしてこなかったんだろうといった感想です。

そして最後に、家から会場まで酔っ払いを送り迎えしてくれた練習仲間のF谷くん本当にありがとう。
君がいなかったらこの企画そもそも成立していない。

そう、シクロクロス会場で酔っ払うということは、会場までどうやって行くかという永遠の課題はつきまとうわけですね。

車を出してくれる皆さんの優しさに甘えながら、第2戦も楽しんでアルコール観戦したいと思います。

帰りの車は安定の( ˘ω˘)スヤァでした。

次戦は東海シクロクロス第2戦おおが城山公園を観戦予定です。
自分のレースレポよりも長いnoteになってしまった。

では

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