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甘え甘えられるために

3人きょうだいの末っ子に生まれたからだろうか、昔からよく「甘え上手」と言われる。

これまでを振り返ってみると、年代を問わず年上の人に助けてもらうことが多かった。
バイト先の社員さんやパートさん、サークルの先輩、大学院特別講義でお世話になった先生、フランス語教室で出会ったムッシューにマダム。
さりげなく励ましてくれたり、一生忘れられないような言葉をもらったり、素敵な思い出がたくさんある。

そんな私は、ここ数ヵ月、ある友人に甘えまくっている。
ほとんど毎日LINEをしているし、数日前からは図書館で一緒に執筆作業をしている。

私と違って、友人の学科には全員に研究室の机が行き渡っているので、友人にとってわざわざ図書館に来る理由はない。
単に「横で誰か作業している方が安心するから一緒に書こう」という私のわがままに付き合ってくれているのだ。

この友人はクールでドライだけど柔らかいという不思議な雰囲気をまとっている人だ。
そっと差し込む日差しのように明るく、同時にひやりとしている。
真冬の曇り空に浮かぶ太陽を思わせる人である。

私が友人に甘えてしまうのは、友人が優しいだけの人でなく、マイペースで他人に気を遣いすぎないところがあるからだ。

”できないことはできないとはっきり言ってくれる”、そんな信頼があるからこそ、私も安心してついついわがままなお願いをしてしまう。
一緒に図書館で執筆しているのも、嫌なら断るだろうし、引き受けてくれたってことは本当に気にしていないんだろうと思う。

これまで甘え上手だと言われてきたことについても、私が甘え上手なのではなく、たまたまこうして”はっきり断ってくれる人”と出会えてきただけなんじゃないかと思っている。

なんでも聞いてくれそうな人より、NOをきちんと言ってくれる人の方が頼りやすいのだ。
なんでも聞いてくれそうな人って、本当にいいのかな?本心では嫌だと思ってるけど言いづらいだけじゃないかな?と不安になってしまう。

甘え甘えられるような関係を築くためには、意外とNOをきちんと言い合えることが大切なんじゃないかな、なんて。

そんなことを学ばせてくれた友人と一緒に過ごせるのも、あと僅かだ。
修士論文は早く書き終えたいけど、同時によく噛んで味わっていきたい。

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。