祖父母のことを何も知らなかった子供時代
私が祖父母と生活を始めた4年半前。私は祖父のことを何も知らなかった。というよりイメージの中で分かっていると思っていた。
車で2時間ほどの距離に住む祖父母は、子供の頃の私にとって「田舎で農業をやっている年寄」だった。野菜とお米を作り、たまに行くと農業を手伝わされ、帰り際に野菜や煮物などを押し付けて送り出される、そんな距離感。祖父母が飼っていた茶トラの猫に会うことが祖父母の家に行くときの私の楽しみだったが、その猫も私が小学三年生のときに亡くなってしまった。中学生や高校生になると祖父母の家を訪れることは正月以外めったに無くなった。
要するに祖父母とは疎遠だった。
※この文章は私の体験と主観に基づいて書かれたものであり、事実と異なることが多々あります。