見出し画像

#26 誤学習を避けるための関わり方


「不適切な行動」と「欲しい物が手に入った」という結果が本人の中でリンクしてしまい、不適切な行動が繰り返し見られるようになることを誤学習といいます。

誤学習の結果、過激な行動が要求・表現手段として定着してしまうことは、幼児期の子どもや、知的な遅れ・発達障がいのある子たちにとって珍しくない現象。

支援者は常にそのリスクを頭に入れた対応をとる必要があると私は思います。

誤学習の例


例えば、こんな場面

入室後椅子に座っておやつを待っている場面、2分ほど静かに座っていたが、突然大きな声と一緒に机を叩き始めた

行動を分析する時には「直前状況」「行動そのもの」「行動の結果」に分けて考えることが大切です。

「なぜ大声を出しながら机を叩いたか」への答えとしては

  • 待たされる時間が許容範囲を超えていた(周囲からの刺激)

  • 壁の向こうから苦手な泣き声が聞こえた(周囲からの刺激)

  • 学校給食が苦手なメニューでほとんど食べておらず、いつもより空腹だった(本人のコンディション)

といった可能性が考えられますが、問題はそのあと。

「机を叩く行動にびっくりして、大急ぎでおやつを準備してあげる」は、一番してはいけない行動です。

机を叩けばおやつがもらえた、という成功体験と認識し、誤学習が起きるリスクがあるからです。

誤学習を避けるための関わり方

誤学習による不適切な行動の繰り返しを避けるには、「1クッション挟む」が効果的です。

「机をふく」でも「席を移動する」でも「手を洗う」でも構いません。
それを今することに何の意味もなくて大丈夫なので、「机を叩く」と「おやつを持ってくる」の間に違う行動を挟ませて、本人の中でつながりを作らないようにすることが大切です。

「1クッション挟む」ためには指示を聞いてもらう必要がありますが、大人側がきつい口調や大声など「強い手段」をとってしまうと、お互いに感情がエスカレートしていくだけ。

「おやつが食べたいんだね」など気持ちを代弁する言葉を伝えて、あなたの思いは伝わっているよ、というメッセージをまず送ること。

伝わったかな?と少し行動がおさまったタイミングで、別の行動を促す、という手段が有効です。



以上、誤学習を避けるための関わり方のコツについて、でした。

ではでは。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?