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#40 言葉のおきかえトレーニング②「待って」

障がいのある子どもと関わる育てる
発達支援初任者に向けたシリーズ、第5回です。

子どもとすごすと、つい口からこぼれ出てくる
「やめて」「ダメ」「待って」

この3タイプの声かけをできるだけ減らすことが、
子ども(特に自閉症特性のある子ども)
と関わる大人にとって最重要

だと私は思っています。

今回は「待って」を違う言葉や行動に置きかえるためのアイデアについて。

「待って」を置きかえる

人間は待つのが苦手な生き物


・「青になるまでのカウントダウン」が表示されるタイプの歩行者信号
・ 電話が保留になった時に流れてくる音楽

人間が「ただ待つ」ことがいかに苦手な生き物かを象徴していると思います。

「あとどのくらい」の見通しもなく、
「代わりに何する」の提示もない状況で
ただ「待つ」ことは、基本的に不快なことです。

子どもでも大人でも同じ。
違うのは「待てる時間」の長さだけです。

「待って」と言われずに育って、忍耐力のない子になったらどうしよう?

と心配する声が脳内でささやくかもしれませんが、大丈夫。

保育所や学校へ行って、発達支援のサービスを色々な所で受けて、
障がいのある子たちは想像以上にたくさんの大人と接しています。

その全員が熟練の関わりスタイルを持っている、なんてことは実際の所なく、
「待って」と言われることの方が圧倒的に多い生活を送っている子たちです。

子どもの味方になる、と決めたあなたくらいはちょっと違う対応を。
「待って」と言われる不快さを取り除いてあげましょう。

作戦1:見通しを持たせる

時間の理解がある場合には、「待って」を「あと○分ね」に言い換えるだけでもずいぶん違います。

「まだ?」と何度も聞かれて言葉のやり取りにモヤモヤしてしまうなら、時計やタイマーをセットして、返事の代わりに指差しするだけでもO K。

時計の理解がまだの場合には、視覚タイマーの使用が効果的な子もいます。


使い方を間違えるとタイマー自体に抵抗感を持ってしまう場合があるので要注意。

短い時間からスタートして、
「終わりまで見届けたら良いことがあった」
という成功体験をコツコツ重ねていきましょう。


作戦2:「待つ時間」でなく「違うことをする時間」に

「待って」という言葉かけを減らしたい。
とはいえ、実際待たせる場面をなくすことはできません。

大事なのは、本人が「退屈な待ち時間」と捉えないようにすること

「待っている間なにをするか」の提示がなかったので、
刺激を求めて自分なりに面白そうなことをした。
結果「やめなさい」「なんで待てないの!?」と怒られてしまうとしたら。

「待たねばならない」は自分ではどうしようもないことで、
その中で工夫してやり過ごそうとしたことを全て禁止されるのは、
子どもからするとアンフェアなことです。

ちょっとした手遊びでも、代わりの作業でも、何でも構いません。
「待って」ではなく「準備できるまでこれをしておいて」と代わりの何かを提示するクセをつけましょう。

ハンドスピナーや無限プチプチなど、100均でも手に入る感覚刺激系のおもちゃ
をいくつか用意しておくと、
発達年齢を問わず手にとって座ったままで遊べる場合が多く、結構おすすめです。


以上、「待って」を置きかえるためのアイデアでした。

ではでは。

(過去編はこちら↓)


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