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小鮎の天麩羅は梅雨の前触れ

春が終わりかけ、気温が夏っぽくなる日が多くなる時期にメニューに登場し始める子鮎。これを使ったメニューが出てくると「そろそろ梅雨が近いな」と思い始める自分がいる。

子鮎を使ったメニューの中で、個人的に一番好きなのは天麩羅である。子鮎の天麩羅、丸ごと一匹衣に包まれて、からりと揚げられてくる。それが数匹油吸い紙に乗せられて目の前に登場する。

まだ小さいので骨はそれなりに柔らかく、頭からがぶりといける。ワタのほろ苦さは成鮎ほどでは無いけれど、それでも十分な苦みと旨味、香りを味合わせてくれる。

個人的には塩でいただくのが一番好み。だがご飯のお供であれば天つゆも悪くない。しかし、ほとんどの場合はお酒のツマミとしていただくので塩をちょいちょいとつけて頭からガブリである。

成鮎もそうだが、子鮎も何故かビールに合う。子鮎の天麩羅を頭からガブリといったあとに、すかさずビールを流し込む。どういう原理かは分からないが、これが実によく合う。日本酒でも悪くないが、やはりここはビールで流していきたい所だ。

油もワタのほろ苦さもすっきりと流れて、旨味だけが口中に残る。そこにすかさず次をガブリである。全くたまらない、この時期にだけ味わえる至福の味だ。

ほろ酔い加減になりながら「そろそろ梅雨支度と衣替えを済ませなければな」と思うのが毎年恒例である。

支度を終え梅雨を迎えると「さて、成鮎をいつ味わおうか」と思う自分は、ただの呑兵衛である。

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