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【読み放題対象】悪に対するしつこい好奇心 ~サルトルで読み解く社会学ジェンダー論の最大のバグとはなにか?~

かつてサルトルが言い放った言葉に「悪に対するしつこい好奇心」という言葉がある。悪を憎む「正義の人」ほど悪に粘着し、捏造してでも、悪を作り出してしまう。その姿はまるで「悪」を愛好しているようだ。

今、私が、サルトルの言葉をなぜ思い出したのかといえば、最近のこれである。

正直うあ~と思ったのだ。

非実在の悪のゲーム



画像1

(引用元→https://www.tokyo-np.co.jp/article/164407)

この画像に多くの人が脱力した。社会学者が「女性の描かれ方をめぐる『炎上』はなぜおきるのか」を分析したはずが、その内容以前の社会の現況のインプットがあまりに「脳内妄想」すぎて、自分自身が「炎上」してしまった……。

要するに「男性がフルアーマーを着込んでいるような世界観でも、女性は紙装甲というか、ビキニアーマーの『(合理的な)理由のない露出』をさせられ、これこそが『女性差別』だ。こういう悪のゲームによって『女性は性的に鑑賞されるもの』になる。性差別が人々に内在化される!」とか、いつものテンプレなフェミニストの主張をいいたかっただけのようなのだが――今回の場合はその主張以前の問題だった。

このゲームは一体なんなんだ?というところに人々の生暖かい関心が集まったのだった。

これ、前世紀のエロゲですか?

前世紀のエロゲ遺物のようなビキニアーマーに、古い絵柄も相まって、「こんなカビの生えた認識を振りかざすなんて、小宮センセイ幾つなんや」という人もいたし、その他も、「ジャンルと職業と世界観の異なるキャラを並べて無理矢理比較してる感」という分析や、「社会学者の考える『ゲームの男女』 実際のゲームの『男女』」など例示する人もいた。

つまりは、いつもながら非実在の美少女たちを「キモオタ」の妄想や性欲から救うのに熱心なひとたちが例示する、その非実在美少女が出てくるゲームすら非実在で、社会学者の妄想だった。もう、なにをいっているかわからないという感じだが、私もなにをされたかわからない。恐ろしい社会学ジェンダー論の片鱗を味わってしまった。

「キモオタ」が叩きたいけど、彼らの中の「キモオタ」が、20~30年前からアップデートされない。なんでこんな古さを偏愛するのだ。

それはおいても、ジェンダー学の小宮友根氏は、社会学者なのに「社会」をなにもしらないなんて流石にマズいのではないか。

一体どこの世界線の「キモヲタコンテンツ」を叩いているのですか?

スキ


これがまた、「社会学者たちの客層」に非常にうけて、称賛と共感を集める構造だ。ジェンダー論の社会学者の存在こそが、現代社会の“病理”として「社会学」の対象にするべきではないだろうか? 

彼らの中の「キモオタ」の悦ぶコンテンツが、異常に(20年~30年ほど)古いのはなぜなのか。なぜいつまでも古い「キモオタ」に貪欲な好奇心を発動するのか。

というわけでなんで彼等は、こんな古いままアップデートされないのか。非実在の「キモオタ」を憎み始めるのか――コレ実は、サルトルが語っていた「悪に対するしつこい好奇心」から説明できるのだ――

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