「君たちはどう生きるか」を観る前に書くnote。7/19日記

なのでネタバレは勿論ないのだけど、まだ観てない人は読まない方が良いと思う。これは「君たち(僕)はどう観るか」をメモして、「どう観るかは自由である」という結論になるnoteだが、君たちの観かたに対する加害性がふんだんに盛り込まれるであろうことは書く前に想像ついている。




「風立ちぬ」は劇場で観た。(以下ネタバレ?)

宮崎駿監督の作品はわりと好きなので「トトロは子供のため、ラピュタは少年のため、魔女宅は少女のため」という監督の言葉に納得感もある。(今思えば〇〇のため、とか烏滸がましさもあるなとはなるが。)

その視点で感想を述べると「完全に自分のため」に描いたように視えてとても良かった。

飛行機作りに没頭する青年と、アニメ作りに没頭した自分を重ねたように視えて。

ああ、監督の飛行シーンが素晴らしいのはこのためなんだろな、これがやりたかったんだろう、と。

そりゃあ引退宣言もするわな。その監督をまた創作に向かわせたモノはなんなのか?たぶん「君たち」なんだろうと思ってる。

「君たちはどう生きるか?」には「俺はアニメに没頭した。全てを捧げた。」という前段があるんだろうなと思う。

甲本ヒロトのことが僕は好きで、

彼が単純なスリーコードとかで曲を作りがちな理由には「誰でも真似できるように」というのがあるそうだ。

僕にも出来る。ビビっと来てパーンと弾けて放課後の教室でホウキをギターに見立ててがなり立てた時に、夢は叶う。君にも出来る。

ブルーハーツ時代は社会風刺と言われたり救われると言われたりしたけども、ヒロトがやりたいのは、たぶんそれじゃない。

「バンド、最高だぜ!」「君もやってごらんよ!」ってずっと歌ってるように聴こえる。

わりと本気で書いている。

さいきん初めて「七人の侍」を観た。

1954年。僕の親父が小学生の頃の作品だ。映画における「古典」。

僕が小学生の頃、親父がこの映画を「ふふ」っと笑いながら観ている横で、寝ていた記憶だけある。

見始めて、1時間経たないうちに「何が面白いんだろう?(面白さを見い出せない自分が悔しい)」となり、というか耳の悪い僕はセリフも聴き取れず、もともと「歴史や時代劇がきらい」という致命的な弱点もあり、あらすじだけでも調べようと「七人の侍」でググった。

「歴史がきらい」という弱点があると、時代劇を観るための共通言語を持てない。そのせいもあって耳の悪さが加速しているのだろうけど、この作品は海外からも評価が高い。それならばと「知らない国の映画」だと思って観ようとするのだが、それでも面白さが分からない。

更にググると「七人の侍 なにがすごい」と検索候補があったのでポチって出てくる記事を読む。様々な映画に影響を与えた凄い映画なんだぜと書いてある。ふむふむなるほど?

………それって面白さですか?
エンタメって、ただ楽しむものでは?

1954年の、当時の観客はとても楽しめたんだと思う。僕には、分からない。

ビートルズが最高にカッコいい。

今でも心の底からそう思えるのなら聴けばいいけど、ただただ古典を「有り難がって」聴くのは、なんかちがう。

もちろん「面白さ」にも様々があって、ただ感情にダイレクトに来るものを楽しむのも、歴史や文化・分析を楽しむのも良い。

僕は前者だし、僕の解釈では黒澤監督を面白がることは出来なかった。「歴史がきらい」という弱点は、監督の人となりや当時の文化的な背景なども理解しようとすることが出来ない。

でも僕たちは宮崎監督を知っている。

それは勿論、メディアを通して知る限りのことではあるが。そして僕たちは「当時の」文化も知っている。ならば僕たちに出来るのは「ただ、楽しむ」ことなんじゃないか?

「君たちはどう生きるか」

アメリカでは「How do you live」と表記されていたそうだ。めちゃカッケー!と思ったが、そこから「The Boy and the Heron 」「少年と鷺」に変わったらしい。

え?やだw

と思ったが、よくよく考えたら「君たちはどう観るか」が「君たちはどう生きるか」に引っ張られてはいないか???

さすが自由の国アメリカである。

これから、「少年と鷲」を観ようと思う。
ギリギリ間に合ったw

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