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バスケ・サッカー・フットサルにおけるペア戦術~カーテンとピックアンドロール~
1.はじめに
2.カーテン
3.ピックアンドロール
4.ピックアンドロールをサッカーに導入するとしたら
1. はじめに
ロシアW杯では、イングランドがセットプレーでバスケの要素を取り入れているとして話題になった。今後、各スポーツの要素を取り入れ合うという流れは加速するだろう。今回はフットサルの「カーテン」とバスケの「ピックアンドロール」というペアで行う攻撃戦術について考察し、サッカーに導入するとしたらどのような場面で有効なのかについて考えたい。この2つの戦術はボール保持者のマークにもう一人の攻撃側の選手が近づいて行くという意味では似ている。
2.カーテン
「カーテン」はフットサルのペア戦術だ。そしてサッカーにも応用されている。とんとん氏のブログ「サッカー戦術分析鳥の眼」にて非常に分かりやすくまとめられているのでぜひ見て欲しい。
https://birdseyefc.com/futsaltactics/curtain/
ここでは、カーテンのメリットについて書かれているので、下に引用させていただく。
①自分が元居たスペースを使わせる
②敵DFがボールホルダーへアプローチするのを妨害
③受渡しのミスの誘発
④瞬間的に数的優位を作る事でフリーになりやすい
①と②については、この手のプレーの性質ということもできる。また、③と④については、こういうメリットがあるからこうするという意味で、目的と言い換えることもできるだろう。
3.ピックアンドロール
「ピックアンドロール」はバスケにおけるペア戦術だ。ボール保持者のマークにたいして味方がスクリーンをかけてプレーを展開することをいう。バスケのセットオフェンスには欠かせない。
(ピックアンドロールの例)
ピックアンドロールの目的については、とんとん氏の述べている上記のものと照らし合わせると、③が共通であるが、ピックアンドロールではまず目的を持ちつつもディフェンスのリアクションによってプレーを選択するので、目的に優先順位が出てくるのかなと思い、下に説明する。④については、バスケで考えるとディフェンスがよほど下手でない限り起こらないはず。
(優先順位)
その1:1vs0(もう片方に1vs2)をつくりシュートする
バスケはシュートを決めるためにやっているので、単純な話、マークが来なければシュートを打てば良い。つまりフリーになってる状態をつくるのが最優先事項で、あえていうならこれは1vs0だ。ただ、こんなに有利な状態は長く続かないから、よく“ズレ”をつくると表現される。逆に、スクリーンをかけた味方については1vs2となっていて、ディフェンスがエラーを起こしているとも言える。
その2:マークチェンジをさせて質的優位を得る
ピックアンドロールの典型的なパターンとして、さほど背の高くない(1on1や3ptなどに自信のある)選手に背の高い(インサイドで仕事をするポジションの)選手がスクリーンをセットするというものがある。これによってシュートは打てなかったがマークチェンジが引き起こせた場合、背の高い選手(上図青2)が背の低い選手(上図赤1)相手に有利な状態で1on1をしかけることができる。
ピックアンドロールの目的をまとめると…
①1vs0(もう片方に1vs2)をつくりシュートする
②マークチェンジをさせて質的優位を得る
4.ピックアンドロールをサッカーに導入するとしたら
まず前提として、サッカーでピックアンドロールをしたらファールになる。ので、シュートを最優先事項とした“ピックアンドロール的なカーテン”をサッカーに導入するとしたらどうなるか考えたい。
サッカーでは、1on1に自信のある選手はサイドに張らせ、アイソレーションするのが定石である。例えば、ネイマール、アザールなど。こういう選手がいる場合はピックアンドロール的カーテンなんでしようものならかえって邪魔になるだろう。
しかし、例えば、ミランのチャルハノールや右ウイング器用されたケイスケホンダのように、ドリブル突破はいまいちだけどミドルシュートを得意としているような選手がPA付近でボールを受けたとき、カーテンの動きをすればシュートコースをつくりやすくなりそうである。
選手のタイプによっては“ピックアンドロール的カーテン”もアリだろう。今後そんなプレーが出てくるかな?
今日はここまで。
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