見出し画像

庭ぐらしダイアリー hatake day2

昨日途中でほったらかしていた畑にまた行く。今回は、昨日の失敗から学んで、朝イチに行くことができた。しかも、今日は自転車がある。これで、楽に行けるぞー!!

…そう思ったのは最初だけだった。
自転車が重い。実家から畑への道はわかりやすく一本道だが、坂だった。急な坂ではないのだが、緩やかな坂ほど地味にキツいものはない。
毎度毎度、畑に着く前から消耗している。

あろうことか、借りた自転車(母さんのものだった)が空気抜けている。

.....なんで抜けてるんだ!!

私が勝手に借りたからダメだったのかもしれないけれど、それにしても、この空気抜けた自転車をよく使ってるな...(普段割と使っている)絶対帰り道に空気入れてもらいに行かなきゃな……それにしても、暑い。
くもっていたから暑さはまだマシかと思いきや、自転車をこぐたびに滝のように汗が噴き出て、自転車のハンドルにポタポタと落ちる。熱中症にでもなったらたまったものじゃない、と自動販売機で100円のお茶を買った時点から心は決まっていた。これ以上は自転車で坂は無理だ。あっさり自転車から降り、押しながら歩いた。自転車で楽なのは、下り坂と平坦な道だと当たり前のことを学ぶ。

畑に着いたら、途中でほってきたはずの畑が思ったほど悪い見た目ではなく、ほっとした。今回は、私が一番乗りなのか、平日の朝に人が来ないのか、誰も来ていなかった。
とにかく、残りの草を抜いちゃおう、とクワを片手に、畑に踏み入れる。耕すようにして削り取る。

ちょっと作業するだけで、疲れてしまう。前より確実に体力は減っている。そんなことを思いながら、畑の横の小さな石に腰かけ、行きに購入したペットボトルのお茶を飲む。一気に3分の2の量がなくなった。

そうしているうちに、隣の広い畑をしているおじさんがこちらにやってきた。どんな関係性なのかわからないけれど、私の借りている畑とは別区分の畑(個人の持ち物かも?)の人だった。
「ここに土がたまると、根腐れするからいかんよ」
いきなり声をかけられて、びっくりした。私が草抜きの途中で止めてこんもりさせていた土の部分を見て、そのままにしてはいけないと言っているみたいだ。後でならそうとしていたので、「ああー、そうですね」と生返事になってしまった。

おじさんは、「草だけにせないかんな。ちょっと待っててね」となにやら探しにいく。暑さと疲れでぼんやりしていたので、特に何も返せなかったが、おじさんは意気揚々と「こうやるんだよ」と作業してくれた。

「前借りてた人は、不精者だったからなあ」と言っていたのを聞いて、ふと思い出した。私の前の借主は、ここで自然農をやっていることは聞いていた。「自然農」は雑草も大切にするから、そう思われがちなのだなあ、と改めて思った。
そういや、昔、借りていた家の庭で自然農をしていた時のことを思い出す。隣に住んでた大家さんが、雑草をどんどん刈ってしまったために、植えていたハーブも一緒に引っこ抜かれていた経験がある。考え方が違うと、こんなにも感覚が違うのか!とちょっとしたカルチャーショックを感じた。

突然でびっくりしたけど、学ばせてもらった。作業の最後にお礼を言おうと思ったら、いつの間にかおじさんはいなくなっていた。また今度会ったときに、言ったらいいかな。

再び作業して、入念に土をならす。今度耕すからいいか、と思ったけれど、せっかく教えてもらったのだから、とにかくやっておこう。

帰りは、空気が抜けた自転車にまたがり、時々ボコボコさせながら、坂道を下っていった。昔、この道をカーペンターズを聞きながら、自転車で走り抜けていたのを思い出す。ほとんど小さい頃から自分は変わってないのだなあ、と思う。全身で風を受けて、一気に降りて行った。いつの間にか、雲はなくなり、太陽がさんさんと光を降り注いでいた。

今日の学び

・緩やかな坂でも、上り坂を自転車で上がるのは大変

・水の流れと土の角度を考えて、土をならすこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?