#02 この広い大空に
〜外山滋比古著『思考の整理学』を読んで〜
「勉強ができる」と「頭がいい」は違う、という持論を小学生の頃から主張してきた。周囲の人間から前者の意味で後者の形容を受けるたびに嫌な思いをしてきたものだ。
本書の言葉を借りれば、「受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者」だ。著者はこれらを「グライダー能力」と「飛行機能力」と名付けている。学校は教えに従順にひっぱられるグライダーを尊重し、肝心の自力飛翔能力は管理に不都合として抑圧する。そんな学校を出た僕たちが、必要な知識を習得できてかつ創造的な「グライダー兼飛行機のような人間」になるためには...?というのが本書のテーマである。
現在僕は予備校でせっせと「優秀な」グライダーを目指し訓練しているが、これは決して真の賢さではないことを肝に銘じておきたい。学びに悩まれている大学生や、発案・企画等上手くいかず苦しまれている社会人の方々に、ぜひおすすめしたい一冊であった。
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