見出し画像

永遠の午後


かつての炎が
今は消え
しかし確かに燃えていたこと
そのことを夢に見る

失った生家がまだ
夢の中で建っている
その中に見知らぬ誰かが
棲んでいて
誰だと問う

或いは
先祖であろうか
見知らぬどこか懐かしい顔が
恨めし気に見つめる

何処か暗い
それでも
なぜか遠く明るい
何処にもない家屋の中で

まだ消えていないと
何時までも続いているのだと
青い炎が瞳に宿る
余りに静かな
永遠の午後