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物語な詩群

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#散文詩

ゆきをとめ

ゆきをとめ

わたしのはは は
 さっていった ゆきをんなだそうです
 ちち は
 ずっとしずかにうつむいているひとでした

それは、あの大雪の年にわたしが知った母の本当と、どうやらいとこであるらしい白すぎる手をしたすきとおるような声のひとりの少女との出会いからでした。

「ゆきをんなのいのちは、ひとのあたたかさにとけてしまうから」
「ほんとうは、いつかくるそのひをしっていたから」

ゆきをんなは、わたしをつれ

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