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【1GAME 】ー明治神宮大会(大学の部)に学ぶーvol.2
○大会第1日目 第2試合
日本体育大学 - 中部学院大学
日体大 020 040 100
中院大 000 000 101
勝利が遠ざかったバント処理
一つの判断ミスが傷口を開いた。
5回表の日体大の攻撃。日体大打線はここまでに多球種を扱う宮澤に対して迷うことなく、球速帯でくくったような絞り方を見せており、この回も先頭の8番高橋がライト前ヒットで出塁。続く9番ピッチャーの箱山へのサインは送りバント。1球目、2球目とファールになり、正直なところ成功を予感する様子ではなかった。消去法と思われるバントは3球目が外れて4球目、これもややボール気味ではあった。しかし、打球はチャージをかけたサードの右を抜け、ラインに乗った。
このプレーが宮澤を焦らせたか。次の打者へのバント処理を正面に降り、捕球してすぐさま3塁へ送球。フィルダースチョイスとなり、無死満塁のピンチを招いた。
これによって中院大のシフトは前進守備となり、次の2番中妻のハーフライナー気味の打球はセンターへの2点タイムリーとなった。その後日体大は内野安打と犠牲フライで2点を追加して6-0とし、前半を大きくリードして折り返した。
神宮大会ほどのハイレベルな試合においても基本的なプレーのミスが試合の決定要因となることは、大きな戒めである。私の恩師はバント処理のミスには厳しい目を持っていた。
「バントは必ず1個はアウトを取る。オールセーフが一番いけない。」
たとえ思い切ったバントシフトを敷いたとしても、それを上回るバントであれば無理をしてはいけない。勝負は必要だが、無謀ではいけないのだ。試合の中では運もツキもある。それを理解し、割り切るために備えをしなければならないのである。
ランナー2塁のバント処理でのピッチャーの動きのセオリーは3塁側に降りるが鉄則。冷静に3塁側に降りていても勿論進塁を防ぐことはできなかったが、3塁に送球することにはならなかっただろう。
勝利の可能性は高めるためには、傷口を開かないこと。つまりはビッグイニングをつくらないことが大切であり、その場、その時の最高でなくとも最善の選択を重ねることが大切なのであろう。
無論、人生の中であれだけのレベル・観衆の前でプレーできることは賞賛すべきことだ。今日は、ビッグゲームが教えてくれた大きな戒めをここに留めておきたい。
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