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仕事を楽しみ輝こう!けんせつ女子ビューティーセミナー[大分編]

みなさん、こんにちは。日塗装(一般社団法人日本塗装工業会)では、約2300社の塗装業者が集まる塗装団体として、塗装業界を盛り上げるために多彩な活動をしています。
今回ご紹介するのは、2024年2月24日(土)、大分県大分市府内町のコンパルホールで行われた「けんせつ女子ビューティーセミナー」です。では、日塗装公式キャラクターの「ロールンちゃん」といっしょにレポートしますね!


けんせつ女子ビューティーセミナーとは?

建設業界で働く女性を応援したい!との思いからスタートした「けんせつ女子ビューティーセミナー」。2021年の秋に愛媛からスタートして以来、宮城、広島、大阪、愛知と全国で順次開催され、今回の大分で7回目となります。

セミナーの参加者の多くは、建設業で働く女性(技術者・技能者・現場サポート・事務職)の方々ですが、実は建設関連の勉強をしている女子学生さん、建設業界に少しでも興味を持つ女性も大歓迎というセミナーであります。

さらに特徴的なのは、来場していただく女性たちに喜んでもらえる企画が満載していることです。資生堂ビューティーアドバイザーによる耳寄りな美容情報が聞ける「資生堂ビューティーセミナー」をはじめ、自分に似合うカラー診断ブースの設置の他、参加特典として資生堂のコスメサンプル配布、全国の有名お菓子詰合せ配布、抽選会にて景品配布もありました。

さらに、働く女性に向けての女性活躍支援講座、キャリア女性によるパネルディスカッションも行われるという充実ぶりです。これらセミナー内容については(開催に至った経緯も含めて)、過去記事に紹介していますので、ぜひご一読くださいね。

特集!働く女性によるパネルディスカッション

今回は働く女性の貴重な話が聞ける、パネルディスカッションについて特集したいと思います。
パネリストとしてお話していただいたのは、土木・塗装工事会社の取締役技術部長の天野 佳絵 (ダイキ工業 株式会社)さんと、大型ダンプの運転手として働いている石河 瑳恵花 (有限会社 幸建企画)さんです。

どんなお仕事をしているのか?

ダイキ工業の天野さんは私大文系卒であり、土木と全く関係ない環境で過ごしてきたそうです。それが今ではダイキ工業の二代目であるお父様とともに働き、いずれは三代目となることを目指して日々奮闘中です。

パネリストの天野 佳絵さん

天野さんの根底にあるのは、「建設業界を盛り上げたい」との思いです。そのため材料の開発や大学との共同研究の他、会社の事務方(女性)と現場(男性)をつなぐ仕事を精力的に行っています。また、誰もが働きやすいようにするには、どうしたらいいか。つねに考えながら行動することを心がけているそうです。

パネリストの石河 瑳恵花さん

大型ダンプの運転手である石河さんは、前職が塗装職人だったというキャリアの持ち主です。縁あって塗装会社に技能職として入社した後、結婚と出産を機に営業職や現場管理の補佐役として働いていました。

しかし、もともとじっとしているのが苦手であり、昔から大型ダンプの運転手になりたいという夢があった石河さん。旦那様からの後押しと、将来はお父様の事業を継ぐことを視野に入れ、塗装会社を退職したそうです。その後、大型免許を取得し、現在の会社に転職。解体で出るコンクリートのガラ、残土、アスファルト舗装の材料を運ぶ仕事をしているとのこと。現在は第2子を出産し育休中です。

お仕事のやりがい、魅力とは?

パネルディスカッションでは、それぞれの立場から仕事の魅力や苦労、メッセージなどについて話していただきました。まずはお仕事のやりがい、魅力についてです。

天野さんにとって、建設業で働く魅力は3つあるといいます。
「建設業界では発注者や材料メーカーの方、施工管理者、職人とさまざまな人が関わり、色々な仕組みの中で働くという特徴的な業界です。当社は施工管理会社として、それぞれの立場や思い、考え方、会社のルールなどに配慮しながら、一つの工事を完成させる必要があります。どう管理していくかが難しい反面、うまく調整していく面白さがあります」と語ります。

2つ目の魅力としては、建設業界ではキャリアアップできるシステムが確立されていることだと語る天野さん。
「技能工である私には、施工管理をやってみようとか、知識が得られたから違う分野のことをやってみようとか、そう思わせることが多くあります。これは建設業界の中で成長していく仕組み、資格などがたくさんあるからだと言えます。選択肢が多くあるからこそ、興味を持てる仕事が見つけられるのが魅力だと思います」

3つ目にあげたのは、専門知識が増えることです。いろんな工事を経験することで、「こんな方法を使っているんだ」と専門知識がどんどん増えていきます。加えて「傷んでいたら、どうやって補修しようか」と考える面白みもあるとのこと。さらにデジタルの世界にはないところに、自分の仕事があると実感できるうえに、「モノが出来あがっていくことが好き」と語られました。

次に石河さんが語ったのは、塗装職人だったときのやりがいでした。
「やりがいは、手がけた仕事が形に残ることです。“これを塗ったのは私です”と言えるのがいいですね。また塗装工事中にお客様から、よく頑張っているね、お疲れ様とか、とお礼や激励の言葉をいただいたのがすごくうれしく、励みになりました」。

特に思い出に残っているのが、マンションの塗り替え工事のエピソードです。
「ずっと足場がかかっていて、住人の方々にご迷惑をかけているのではないかと気になっていました。それがある窓にお子さんが描いた私たちのイラストが貼ってありました。そこには“お疲れさま、ありがとう”とのメッセージがあり、すごく嬉しかったですね」。

ダンプの運転手となった今では、仕事柄そうしたお声をかけられる機会は少なくなったそうです。それでも通りかけたお婆ちゃんから「お姉ちゃん、かっこいいな!」と声をかけられたことが、うれしくもあり、誇らしかったと語る石河さん。
「どちらの仕事もやり終えたとき、一日がんばったなと思えます。朝が早くて大変ではありますが、達成感があります。また明日はどんな現場になるのかなって思うと、毎日ワクワクします」と話をしめくくりました。

苦労したことは? どう乗り越えた?

働く女性であるお二人にとって、どんな苦労があったのでしょうか。その問いに天野さんは、「子育ての両立」と答えます。ただ、子育てそのものは苦労と感じたことがなく、気持ちの整理をどうつけるかかが難しいと付け加えました。

「主人は夜の7、8時まで、やりきるまで仕事ができます。それなのに私はやっておきたい仕事があっても5時までには帰宅し、子どもを迎えに行き、夕食をつくる必要があります。ずっと、割り切れないまま仕事をしていました」と天野さん。

そこでご主人に仕事への思いを伝え、少しずつ話し合ったそうです。その結果、ご主人がお子さんを迎えに行ってくれるなど、天野さんへの理解と協力が得られました。また、公的なお迎えサービスなどを活用したこともあり、子育てをうまく乗り切ったとのことです。

同じ問いに対して石河さんからは、こんなお話がありました。
「独身のときは、自分だけのペースで仕事ができました。しかし、結婚して出産したことで子供のことはもちろん、家事もやらなくてはなりません。やることがどんどん増えたことで、現場仕事に影響がでて大変なことになりました」。

保育園の送り迎え、仕事から帰ってからの買い物、夜ご飯の支度、洗濯、翌日の保育園の準備をして子どもを寝かしつける…。働きながら、これらを一人でこなすのは大変です。そこでご主人の協力を得て、お互いの都合にあわせて保育園の送り迎え、食事の準備や洗濯、子どもの世話など、夫婦でやることを分担したそうです。

さらに、お義母さんの協力も大きかったといいます。
「塗装の仕事では朝礼が早かったですし、今の仕事は早朝にトラックに乗らなくてはならず、どうしても保育園の送り迎えができませんでした」。ご主人の協力があったものの限界があります。そこでお義母さんに相談したところ、「朝送るのとお迎えは気にせず、やりたいように仕事をやって」と協力してもらえることになったそうです。「周りの協力があるからこそ、お仕事をさせていただけると実感しています」と石河さん。

その他で大変なことは、現場でのトイレ事情だと言います。きれいな女性トイレがあるのは大きな現場だけ。そもそもトイレがない、あったとしても男性用小便器しかない。さらにトイレが汚いケースが多く、仕方がなくコンビニのトイレを使用していたとのことです。

また、塗装職人のときに大変だったのは、重いホースや塗料缶を持って運ぶなどの力仕事だと語る石河さん。「先輩や周りの人が気づいたら、さりげなく持ってくれたり、軽いのを持たせてくれたりなどの配慮がたくさんあったので助かりました」といいます。

活躍する女性が増えた今、やるべきこととは。

13年前に業界に入った天野さんは、当時と比べ働く女性が増えていると語ります。また、女性を活用しようという動きが強まったと感じているそうです。その一方で、「働く女性からの声があがらない、あがったとしても上層部に届かない、先輩に相談できない、自分が我慢すればいいと思っている」と指摘します。

「女性の声が届きやすくするには、結局のところ経営者が(声を受け入れられるよう)いかに腹をくくるかにかかっています」と語る天野さん。そういった姿勢の会社が事業として成功していると感じているそうです。

さらに、我慢して働いている女性たちに対し、「もっと声を上げてほしい、活躍している女性の先輩に頼ってほしい」と語ります。加えて「後輩のために私たち自身が我慢したらダメ。しっかりと声をあげることが大事です。そうした女性リーダーが増えることが働く女性のチカラになると思います」と話をしめくくりました。

セミナーに参加してみて思うことは

最後はセミナーに参加しての感想として、「こうした場を設けていだくことに価値があると思います」と語る天野さん。参加した同業の女性たちを見て心強さを感じたそうです。「建設業界に女性を増やしていけるよう、がんばっていこうと思います」と意気込みを語られました。

石河さんは、参加している学生さんに向けてのお言葉でした。「これからの進路をどうしようかと考えていると思いますが、職場見学をたくさんすることをおすすめします。いろんな仕事がある中で、直接見ることで“この仕事いいな”と感じることができますから。また、今回のようなセミナーにも参加して、いろんな話を聞くことで視野を広げ、将来を決めていったらいいと思います。私は今後も建設業界で、かっこいいお母さんとしてがんばっていきたい」という言葉でパネルディスカッションが終わりました。

参加者の感想

有意義なお話が聞けたこともあり、参加者のみなさんから以下のような感想をいただきました。ほんの一例ですがご紹介します。今後もセミナーを開催しますので、ご興味があれば、ぜひご参加くださいね!

●県土木建築課で働いています。県でも女性活躍を推進していますが、専門工事業団体がこのような取り組みをしているのは素晴らしいと思いました。

●建設業界で働く女性の意見を聞けて共感することがたくさんありました。これからもっともっと良い業界になっていけばいいなと思いました。

●建設業全体で女性が輝いていけるとよいなと思いました。

●資生堂のセミナーを聞いて、今日の夜から肌ケアを実践しようと思います。

最後は、みんなで記念撮影

これからも活動について発信していきます!

もっと多くの方に私たちの活動を知ってほしくて、日塗装公式キャラクターの「ロールンちゃん」とともに、どんどん発信していきたいと思っています。日塗装のことは、下記のホームページを読んでみてくださいね。