インターネットを早くしたかっただけなのに

「おれはネットに依存していない」などとうそぶいていたら、いつの間にか家のネット環境が撃遅(げきおそ)になっていた。
インターネットの会社に連絡したら「2メガ」だそうで、「ウチのネットは遅い」と言っていた知り合いが320メガでネットをやっていたそうなので、それの160分の1の環境でネットをやっていたことになる。

このため、ネットを新しく、速くしたかったのだが自分が入っているインターネット会社がとにかく仕事ができない。
個人的には純粋に人手不足なんじゃないかと思う。
このため、「どんなプランにするか」で手間取った。
一方で、ネットの工事のために家に人を入れないといけない。

私は自宅に人を入れるのが大嫌いだし、散らかっているので片付けないといけない。
別の事情でどこかの部屋のCDを取り出さなければならなくなり、合わせて三つの部屋を片付けなければならなくなった。

ダンボール箱二十箱くらいゴミを捨てた。
その期間、約1か月にのぼる。

やっとのことでネット業者の訪問日を決めると、家にやってきた若者が、
「現在のネット環境がわかったので、別の者がまた来ます」
と言われ、約五日後に作業をする二人の男性がやってきた。

当然だが、最初のネット業者の訪問日までには、自室の掃除はだいたい済ませていたので、二回目の訪問日前まではそこまで真剣に片付けなくていいと思っていた。
ところが、我が家のインターネットの「核」となる装置(名称忘却)が、外部に設置されていないので、家の中のどこかにあるはずだが、心当たりのあるところはないか、と聞かれた。

そういえば、現在は使用していない居間にあるかも……。と言ったら、作業員が居間に入って行ってしまった。
居間は現在、ほぼ手つかずの段ボールの山である。
1か月も掃除したのに、まったく手つかずの部屋に入られてしまった。

しかしなんとか「装置」は見つかった。
これで万事OK、と思ったら作業員がすまなそうに、

「すいません、持って来た機材の一部が故障していたのでまた来ます」

と言ってきた。

私の心は死んだ。

これから「楽しみにしていたお誕生日ケーキに描かれていたキャラクターがグチャグチャだった」という悲惨な記事を読み返した後、チョコレートにオレンジピールを入れることを反対する集会に出ます。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?