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のこぎり屋根工場は半屋外
毛織物工場としての役目を終えた工場空間を再活用している施設が一宮市内にある。私はその八連の「のこぎり屋根工場」の一角に、二坪の事務所スペースを間借りしている。常駐しているわけではないが、そこは私にとって日常を過ごす場所でもある。木造ののこぎり屋根工場には間仕切りが無い。オープンスペースにあるブース状態に近い。事務所自体が一種の展示場となっている。
事務所は、工場全体を見渡せる広い視界の中に位
のこぎり屋根工場の匂い
かつて、毛織物工場として活躍していた木造の「のこぎり屋根工場」。その様式はあまりに特徴的だ。天井のない北向きの屋根から太陽の光を採っている。外観は、屋根の形がのこぎりの刃のようにも見える。地図記号の工場はこの形をしている。
地域ののこぎり屋根工場が、経済の隆盛を誇ったのは昭和四十年代辺りまで。産業の衰退と世代交代で、街ののこぎり屋根工場は役目を終えて、年々姿を消していっている。
一人の若