4-1 「目標が決まっていない人たちへ」
初めに断っておきます。この記事は「明確な目標が決まってない人」へ向けたものです。明確な目標があり、そこへ向かうための心構えや術を探している人は読み飛ばしてくれて構いません。
私は高校卒業後1年間浪人しています。言ってしまえば、高校でのラグビーと勉強の両立に失敗しているわけです。失敗したというよりは、端から両立なんてするつもりがなかったのです。そんな人間が何を偉そうにここで記事を書いているのかと言われたらそこまでなのですが、あくまでもここでは高校で勉強とラグビー(ラグビーに限らず部活動や行事、自分の趣味など)を両立するための、失敗した人からの意見として書かせてもらおうと思います。
両立に成功したと言われる先輩たちや両立させようとする先生たちのほとんどが口を揃えてこう言います。
「目標に向かって何たらかんたら…」
「目指す場所から逆算してどうたかこうたか…」
「何としてでも受かりたい大学があるならその気持ちがうんぬんかんぬん…」
高校生だった時の私はNHKを乗っ取って叫びたいくらいの気持ちでこう思っていました。
「目標なんて決まってたら苦労してないんじゃタコォォ!!」
そんな気持ちの人、いませんか?
高校生の段階で、揺るがない将来の目標が決まっている人なんてそんなにいないと思います。(持っている人はとても素晴らしいと思います。目標に向かって頑張ってください)ましては部活も忙しく、充実した高校生活を送っている人であればあるほど、卒業後の進路に対する興味を持ちにくいと思うのです。
2年生の後半や、3年生になり、周りの雰囲気に合わせて勉強しようと思ったはいいけど、目標がないからやる気が出ない。よくあるパターンだと思います。みんなは目標が決まればどうのこうの言いますが、目標が決まらないんだからどうしようもないですよね。この時期を機に自分の将来についてたくさん考えると思います。素晴らしいことです。個人的には、考えに考えて考え尽くして、満足のいく目標が見つかったら良いと思うのですが、高校生にそんな時間はないですよね。そんなことをしていたら、気づいた時には五浪丸です。
では、時間のない高校生が自分の目標をどうやって見つけたら良いのか、私の考えを書いていこうと思います。
まずは1年生。時間はまだまだあります。部活に行事に恋(男子校の方すみません)に忙しいとは思いますが、時間を見つけていろんなところに行き、いろんな人と話してみるといいと思います。今まで自分の興味のなかった分野の人や歳の離れた人、異なる言語や文化を持った人と積極的にコミュニケーションを取ってみると自分の世界が広がります。高校卒業後の進路は大学だけではありません。とはいえ、進学校に通っている人が多いでしょうから大学に行く人がほとんどだとは思いますが、自分の常識に囚われずに選択肢を広げていくことが、いずれ決める目標を確固たるものにする力になります。
まぁ、それよりもとにかく高校生活を楽しんでください。
続いて2年生。2年生になると少しずつ進路選択の話が身近に出てくると思います。私が高校生活を振り返って思うのは、2年生の時に、興味がなくてもどこかしらの大学を観に行っておけばよかったなということです。必ずしもオープンキャンパスである必要はありません。大学には高校とは違った雰囲気があります。もし大学に通っている家族や知人がいるのなら、案内してもらうと良いでしょう。大学の雰囲気を肌で感じ取ることで、進路を決める際に現実味を持って考えることができます。これはかなりのアドバンテージです。
ただし、高校生活を楽しむことは忘れないでください。
最後に3年生。もう手遅れです(笑)。浪人しましょう(笑笑)。とか言ったらこの記事は掲載されなくなってしまうのでそんなことは言いません。が、今私がこの記事を書いているのが8月末なので、もしこの記事を今年中に読んでいる3年生がいるのであれば、仮でも良いのでそろそろ目標を決めなくてはならないでしょう。たくさん悩んでください。自分の将来についてこんなに考えられる時期はあまりないと思います。どうしたら確固たる目標が決まるのか、それは私もわかりませんでした。
ただ、仮にでも志望進路を決めるとなった時、これだけは避けた方が良いと思うことが一つだけあります。
難易度や友達が多いからなどの理由で、自分が全く興味を持てない学問を扱う進路を選ぶことはやめておいた方が良いと思います。
もちろん興味がなかったけどやってみたら楽しかった、ということはあると思いますし、大学の楽しさは部活やサークル、バイトなど高校よりも多岐にわたります。しかし、せっかくの貴重な10代の時間を受験勉強にたくさん費やしてまで入る大学なのですから、学問も楽しめるものを選んだ方が良いというのが私の意見です。
結局3年生に対しては具体的な対策を何一つ明示できませんでしたが、一つ私が大学に入って気づいたことがあります。それは、
「大学は必ずしも、将来の職業のためでなくて良い」
ということです。私が高校生で進路に悩んでいた時、心のどこかで、将来の仕事につながるような大学を選ばなければと思っていたのだと、今になって感じます。
私は農学部ですが、卒業した先輩方で農業系に就職した人は半分くらいだと聞いています。教育学部の人がみんな先生になるわけでもないし、法学部で法関係の仕事に就く人なんて数割ほどではないかと思います。
もしこれを読んでいる人で、「将来の目標が決まらないから進路も決まらない」と悩んでいる人がいるのなら、もっと気楽に進路を考えてみるのも一つの手だと思います。東京に行きたい、恐竜が好きだから地学系を学びたい、家を出て一人暮らしがしたい、部活が充実している大学に行きたい、目標を決めるきっかけはなんだって良いのです。大学生活は基本的に高校生活より長いです。将来の目標が大学で見つかる可能性の方が断然高いわけです。
ですから3年生は、残された高校生活を無駄にすることなく、大学=就活の準備 だなんて思わず、目一杯モラトリアムを満喫してください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
「この記事で進路を気楽に考えろって言うから、受験落ちちまったよどうしてくれるんだー!!」と言う方がいらっしゃいましたら、申し訳ございません。もう少し受験勉強を頑張っていただいて、もし良ければこの北海道大学で共にモラトリアムを満喫しませんか?北海道は札幌でお待ちしております。
(文:二兎Beプロジェクトメンバー/農学部2年/恩田春太郎)
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