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北大ラグビー部・OBインタビュー第2回

第2回 乗木航太(経済学部・2019年度卒・函館ラ・サール高校出身)  ポジション:トレーナー

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第2回は部内でも数少ないトレーナーとして4年間チームを支え、創部初の大学選手権出場に大きく貢献された乗木航太さん(2019年度・経済学部卒)の記事です。学生一人ひとりの”挑戦”と”両立”を可能にする北大ラグビー部の土壌や価値について語っていただきました。

Q.北大ラグビー部に入部したきっかけを教えてください。

先ず、実を言うと、この北大ラグビー部が正に北大に入学した理由です。小学校のとき道体(夏に行われる、北海道内の様々なカテゴリーにおける試合)で北菱(北大のOBの方で作るチーム)の試合を観戦した後、大学構内でジンパ(ジンギスカンパーティ)をやって楽しかった思い出や、2011年の北大が筑波との第五代表戦へ出場した際の練習に遊びに行った記憶があります。そういうところまで、いけるチームなんだという点や、生涯ラグビーと付き合えそうだと感じられた点が、魅力的でした。北海道大学という大学選手権に出たかった。これが、北大ラグビー部がいいなと思ったきっかけです。それから、北大そのもののことを考えても、魅力的に感じました。北海道No.1の学力ですし。また、学問的にも“地域振興”という分野に興味がありました。特に、田舎で街づくりといった領域ですね。出身も北海道なので、そういった分野への関心も向けつつ、高校でも「北大でラグビーをする」ということを意識しながら過ごしていました。

Q.北大ラグビー部の“価値”とはなんでしょうか。

やはり、両立を可能にする”土壌”でしょうか。北大ラグビー部というチームは全国を狙えるチームですし、勉強もきちんとやりつつ練習に励んでいます。指導者の方もいらっしゃいませんし、様々な決定が学生自身に委ねられています。「良くも悪くも自由」というのが、正にその本質ではないでしょうか。もちろん、堕落すればどこまでも堕落することはできる。ですが、与えられた自由は様々な可能性を秘めている。誰からも強制されない環境ではありますが、皆がラグビーという一つの競技で結束している以上、程よい緊張感がありますね。そういった、学生を育む”土壌”、これが最大の価値だと思います。

Q.乗木さんはトレーナー出身ですが、トレーナーの魅力について教えてください。

実は、自分が選手でなくトレーナーであるということには、ジレンマを抱えていました。というか今も抱えています。(笑)ですが、ある種そういった感情があることで、自分にできることは、何かという事をずっと考えてきました。当初、北大ラグビー部にはタックルシート(タックルを中心とした分析シート)、ミーティングの議事録等々、今では当たり前にあるものも全く存在しませんでした。これらのものをゼロベースで作り上げて、充実させて、自分の中では「やりきった」という感覚があります。未開拓のポジションであることで、色々なことに挑戦できます。自分としては、描けていない「絵」もたくさんあります、だからこそ現トレーナーが描ける「絵」もたくさんあるのではないかと思います。他のチームから見たときに「あのチーム監督はいないけど、実はトレーナーで回しているんじゃない?」と思われるような環境を作ることもできるわけです。なにが答えかわからない中ではありますが、そういった挑戦の余地が無限大にある環境下で四年間働くことができるのは最大の魅力です。


Q.北大ラグビー部での一番の思い出はなんでしょうか。

やはり大学選手権ですね。チームもまとまっていないようで、実はまとまっていて(笑)一番やりがいもありました。大学選手権という舞台に着実に進んでいっているという過程を見ているのもとても楽しかったですし、実際に「行ける」という事になったときが、最高でした。もう大学辞めてもいいかなと思うぐらいに。(笑)ずっと、目指していた舞台に行くことができたわけですからね。

Q.乗木さんは、社会人経験のなかで、北大ラグビー部での両立のマインドが役に立ったなと思う事はありますか?

まず、「ラグビーをしていた」という事で話に花が咲くことがあります。そこで、自分が精一杯やってきた経験を話すこともできます。また、殊北大ラグビー部での経験と言えば、「両立することが当たり前になる」ということはあるのかなと思います。僕自身、大学在学中には一人旅や研究という形でしっかり自分の時間を持っている一方で、その分部活に対しても自分の力を還元しようという思いがありました。社会人になってからは、仕事という1本のことでやっていくことに物足りなさを感じてしまいます。「何かしなきゃ」という気持ちになります。無難な生き方が良い意味でできないということは、今の生活でもあるのかなと思います。

Q.最後に新入生に一言お願いします。

「新入生に」というか、これは高校生にも大学生にも言えることですが、高校生は高校生活を、大学生は大学生活をという具合に後から望んでも、二度と手に入らない生活をしています。それを大事にして欲しいです。もちろん、大学受験もあると思いますが、最悪大学受験はやり直しがききますからね。でも学生生活の、その瞬間は戻ってこない。受験勉強以上に、その瞬間を大事にして欲しいです。もちろん、リスクはありますが、それを切り替えながらやっていく。その切り替えが上手くできる人が、合格をつかみ取れると思いますし、「それは頭がいいからだろ」と言っているだけでは、きっと失敗してしまうでしょう。リスクと理想で、うまくバランスを取りながら生活してほしいなと思います。北大ラグビー部は、まさにそういった人たちの集まりですし、両立を実現するのに申し分ない環境と言えると思います。


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