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『HSPの心理学 科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」』を読んだ感想

おはようございます。
nitoです。

雲一つない青空の土曜日です。

9月にHSP気質が爆発し、適応障害で退職をした私は、
自分を理解するため、HSPについて勉強中です。

今日は、これまで数冊読んだHSP関連の本の中で、
他とは違うアプローチが興味深かった1冊について感想を書き綴りたいと思います。

◆飯村 周平 著
『HSPの心理学
科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」』

心理学博士であり、HSP情報サイト「Japan Sensitivity Research」を企画・運営する飯村氏が、心理カウンセラーや臨床心理士とは異なる切り口で、
HSPとは何かについて取り上げた本となっています。

HSP関連の本の内容といえば、
「繊細な人」はどのように「生きづらい」のか、
HSPあるあるともいえる内容が多いように思います。
HSPさんってこういうことで苦しんできて、
こういう考え方をしたらもう少し楽に生きられるかも

というHSPに寄り添うような提案がほとんどのように感じています。
私も実際、HSPに寄り添う内容の本に救われ、
自己理解のためにとても役に立っています。

しかし、今回読んだ「HSPの心理学」はちょっと違うのです。
いわゆるHSPあるあるや、HSPは脳内のミラーニューロンの働きが活発、HSPは4種類に細分化されている…などの定説を次々に否定し、2022年現在で明らかにされている「科学的根拠」のある事のみに基づいて構成されています。

正直、HSP関連の本などでHSPについて学んできた人にとっては、
「じゃあ今まで得た知識は何だったんだ」と思ってしまうような
衝撃的な内容だと思われます。
かくいう私も、心の拠り所を否定されたような気持になって、
途中まで読み進めた段階で、一回本を閉じてしまいました。

しかし、著者の飯村氏も自信をHSPであると認識しており、
HSPについて「正しい知識」を広めたい、という気持ちで書かれたこの本を
スルーすることもできず、渋々読み進めていくと、
「科学的根拠」を通して語られるHSPは、
とても魅力的であり、「正しく理解」することで心豊かに暮らしていけると
感じさせられる内容でした。


誰もが環境感受性とい特性を持っている。
環境感受性は「悪い環境と良い環境の両方からの影響の受けやすさ」を
説明する心理学の概念であり、感受性は「ある」か「ない」かではなく、
低い人から高い人までグラデーションのある特性として理解されている。

HSPの心理学 科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」 飯村 周平著

飯村氏によれば、HSPと非HSPをはっきり分けることはできず、
「環境感受性のグラデーション」なのだということです。
この考え方に基づけば、
「自分はHSPだから生きづらい」
「あの人は非HSPだから理解してくれないはずだ」という思い込みは
あまり意味のないものなります。
もちろん、HSPであると自認して救われることはたくさんありますが、
「あちら」と「こちら」にカテゴライズしてしまうことで、
陸続きの心のグラデーションに気づくことができず、
可能性を狭めてしまうことになりかねない、と感じました。

まだまだHSPについて勉強中のnitoですが、
この本は、HSPである自分をより深く理解するために、
とてもいい材料になったように思っています。

興味のある方はぜひ読んでみてください。

今日も穏やかな一日になりますように。

最後までお読みいただきありがとうございました。

nito



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