見出し画像

SUP(サップ)ってなに? マリンスポーツのStand Up Paddle-board(SUP)について調べてみました

皆さんこんにちは。
海洋空間利用工学研究室メンバーの専攻科生です。

今日は私の研究であるマリンレジャーのSUPについて綴らさせていただきます。

2021年9月5日に悲しい事故があったのはご存じでしょうか。
福井県高浜町和田 若狭港から約250mほど沖合でインストラクター引率のもとSUPを行っていた6名のグループの内、1人が漁船と衝突し、お亡くなりになってしまった事故です。

この事故を知ったとき、皆さんに安全に楽しくSUPをやってもらいたいと思い、SUPを行う上での安全事項や法律的観点など様々な視点で必要な事項について綴っていこうと思います。


さて、今回の題名は「SUPを安全に行うには」です!


SUPとは


Stand Up paddleboard(スタンドアップパドルボード)の略称で、ボードに乗ってバドルで漕ぎ進むというシンプルなウォータースポーツです。
まったりと海上を散歩したり、速さを競ったり、若者から年配の方まで
幅広い世代まで遊べるマリンアクティビティです!

推奨道具と推奨道具


~~~~必須道具編~~~~

【SUP専用ボード】
ボードには大まかに「ハードボード」と「インフレータブルボード」2種類に分かれ、そこから用途に合わせ形状が変化しています。「ハード」と「インフレータブル」の違いは空気で膨らませるかの違いだけで、値段面でも大きく変わります。

【パドル】
パドルも用途に合わせてブレードの形状が変化します。
でも一番重要なことはパドルの長さが自分に合っているのかが重要です。利用目的に合わせて長さを調整できる「アジャスタブル」と呼ばれるタイプもあります。また、カーボン製やアルミ製など材質にも特徴があるので要注意です。

【リーシュコード】
リーシュコードとは、スノーボードをするときなどのも使われるボードと足を繋げてくれるアイテムの事です。
リーシュコードの種類は「ストレート型」「コイル型」があります。一般的に使われているのが、コイル型で、ストレート型は基本的にサーフィン用に使われているようなイメージです。

【フィン】
フィンとはボードの直進性と旋回性を保つアイテムで、これがないとまともに進めません。
フィンは何本あっても構いませんが、クルージングの場合は基本的に1本で、波乗りなどの場合は3本だったりします。
いろんな種類がありますが、初心者さんはバランス重視のトリプルフィンをおすすめします。

上記は最低限の道具です。
下記は日本SUP指導者協会(SIJ)が推奨している道具です。

~~~推奨される道具~~~

・救命胴衣
・すぐに脱げない靴
・ウェットスーツ
・帽子
・日焼け止め
・水筒
・防水バック
・防水スマホカバー



海上においての基礎的知識


SUPを行う上で安全に楽しく行ってもらうために気象・海象・離岸流などの知識をもしもの時のために覚えておいてください!

▷気象・海象の基礎知識

マリンスポーツに影響のある気象・海象は「風」「波、うねり」「潮流」「雷」「地震、津波」が主に注目する点です。
今回、すべて綴るとかなりの量になってしまうので、大まかに説明します。
また今度書く機会がありましたら、そこで綴りたいと思います。

▷離岸流などの海流の知識

離岸流はかんたんに説明すると、岸に打ち寄せた波が、沖に戻ろうとするときに発生する強い流れのことです。

下記の画像は海上保安日本海洋情報部(JCG)が説明している模式図です。

海上保安庁日本海上情報(JCG)より引用

離岸流は砂浜だけに発生するものでなく、岩礁やサンゴ礁でも発生します。砂浜での離岸流は砂によって発生する場所が日によって変化しますが、岩礁は固定的でほぼ同じ場所で発生している特徴があります。

離岸流の見分け方、流された場合の対応はJCGが対応の情報を発信しているので下記のリンクからご参考ください。



SUPの法的観点・位置づけ


SUPの法的位置づけに関して海上保安庁に問い合わせをしたところ、明確には定められていないという回答を頂きました。
なので今回は一般社団法人日本SUP指導者協会(SIJ)による以下4つのことを推奨事項を紹介します。

▷他船との関係

海上にはSUPなどの小さいものから450mを超える船まで様々の大きさの船が行き交っています。
 海上には海上交通三法が適用されており、アメリカではSUPも船舶とみなし三法を遵守すべしとされています。一方日本では、レジャー遊具という側面もあり、現在は三法を守ろうと推奨されているだけです。近年の事故多発によりSUP等のレジャーも「船舶」に当たるのかを議論しているところです。

▷漁業との関係

基本的SUPはどこでも行けますがその海域が漁業法適用海域であるのかを見極めなければなりません。漁業法の漁業権漁業とは特定の漁業や養殖業を営むことができる権利で漁業権は漁協や漁業者に免許が与えれています。すなわち、「漁師さんは、業を営む権利を持っている」ということになります。画一的に判断基準を設けることは困難でありますが、漁業者の採捕または養殖行為を妨害する行為などは「漁業権の侵害」に当てはまる可能性があるため、漁師さんの操業近くでSUPを行うこと自体が「邪魔する行為」になるかもしれません。

▷地域との関係

初めてSUPを行う場所では条例や地元のサーファーやカヤックを行っている方々が決めたローカルルールが存在するので、基本的マナーを守ったりその場所でのコミュニティーに参加して行うのが望ましいです。

▷実施場所との関係

基本的にSUPの航行海域に制限はないですが、以下の場所での入水、接近は避けるようにと推奨されています。
①特定港内
②航路内及びその付近
③停泊中船舶付近
④漁業権がある海域
⑤条約等により入水、立入を認めていない水域
⑥権利水域
⑦排水溝付近
⑧工場の付近
⑨定置網の中、固定ロープの付近
⑩ブイや養殖イカダ
⑪サーフポイント
⑫潮流の早い場所
⑬管理釣り場
⑭海水浴場内
⑮気象警報等が発令されている場所

まとめ


ここまでの内容をまとめます。

1SUPとは
2必須道具と推奨道具
 ▷必須道具
 ▷推奨道具
3基礎的知識
 ▷気象海象
 ▷海流の知識
4法的観点・法的位置づけ

海上において危険を回避する判断は自身に委ねられます。
危険を回避するために必要な情報を手に入れる必要があります。
また、海上においての知識は基本共通ですから、SUP以外のマリンスポーツを行う際も利用できて知ってて損はないと思います。

これからもマリンスポーツの情報を発信していきますのでお楽しみください。
お読みいただきありがとうございます。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?