低体重を誇るのは危険
芸能人が低体重を誇るのは今から2〜30年前には普通のことだったけれど、問題は若い女性達が芸能人をロールモデルとして体重減量に励みすぎたことだよ。
BMIの計算方法
例えば身長157cm、体重37kgの人のBMIは15.01になる。
BMIの計算方法は体重(kg)➗身長(m)➗身長(m)である。
先ほどの身長体重の人なら
37➗1.57➗1.57
という計算でBMIが算出できる。
で、BMI値が18.5未満の人は「やせ」である。BMI16未満の人は「やせすぎ」という分類になる。
BMIと寿命の関係
女性は「やせている方が健康的じゃない。デブは早死にするよ」って思うかもしれないが、太り過ぎはダメだけれど、世界中の研究で一番長生きするのはやや太り気味の人たちであるという研究結果が出ている。
やせ過ぎの人はむしろ寿命が短い。
一番寿命が長いのはBMI26くらいの人であって、BMI18.5未満のグループはBMI30以上のグループよりも寿命は短いことがわかっている。
摂食障害(拒食症)の危険ー特に若い女性
マスコミが「やせ」を推奨すると、それを見た若い女性が大慌てになる。何しろ、中学生ぐらいの女性は思春期で脂肪沈着が増える時期である。その頃、男どもはひょろひょろと背が伸びるので身長/体重比で言えば女性は不利な時期になる。
こういう時にマスコミが「やせ」を推奨すれば自分の体型に不安を持つ若い女性はわっとダイエット商品に群がるかもしれない。これは短期的には商品の売り上げが伸びるので商業的には何が悪い、という意見もあるかもしれない。
けれども、高体重の人がダイエットをして適正体重になるのと適正体重の人が無理なダイエットをして低体重になるのとでは副作用が全然違うのである。
正常体重の人が無理なダイエットをすると拒食症になる危険性が大きい。
適正体重の人がダイエットをすると摂取カロリーが必要カロリーを下回る可能性が大きくなる。そうなると一番影響を受けやすいのが脳である。脳が体の中で一番糖分を消費しているので、糖質制限をして糖が不足した場合には脳の活動が真っ先に低下する。その次に活動が低下するのは筋肉であろう。
糖分不足になって働きの鈍った脳は他のことを考えられなくなる。
若い女性の栄養不足で働きの鈍った脳はもうダイエットのことしか考える余地がなくなってしまうのである。他のことを考えるには燃料不足になってしまうので考えることができない。
その結果、ひたすらダイエットに突っ走ってしまうのである。
危険だからこの辺りでダイエットを中止しようなんて考える余裕はもう脳にはないので、いくら体重が減ろうとも「ダイエットを続ける」という意識だけが脳を支配してしまう。特に真面目な人ほど危ないであろう。
こうして拒食症が起こってしまう。
拒食症で、だいたい、標準体重の70%以下に体重が減ってしまうと、もう体の正常な生理機能を保てなくなって、命を失う危険が高くなると言われている。
過食症について
拒食症になると、脳は栄養を拒否するけれども体は栄養を要求する。体からの要求に屈して無茶食いしてしまうと過食症になる。過食症の場合は「低体重」になるということはないけれど、食べたことに自己嫌悪になって食後に無理やり嘔吐したり、早く食べたものを体から出したいということで下剤を使ったりする。そのため、激太りする人は少なく、体重はやや標準より大きめという人が多いらしい。
問題は極端なやせなどの症状がないため、周りの人が気付きにくいということである。気づかないまま、状況がより悪化してゆく場合がある。無理矢理嘔吐を続けると胃酸で歯が溶けたりすることもあるし、手に「吐きだこ」ができることもある。
上のページを見て「自分に当てはまっているかも」という人は心療内科などに受診して相談してみるのも一つの方法かもしれないね。
とにかく、マスコミは自らの影響力を自覚してダイエットには抑制的にならなくちゃいけない。まだ幼い中学生がどんどん拒食症になった過去の失敗を繰り返さないでほしい。
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