ディストピア

いや、私は確かにディストピアが大好きである。だが、それは書いて楽しむ、少なくとも対岸の火事としてみて楽しむレベルなのである。決してそのディストピアの世界に住みたいわけではないのである。

これは例えばホラー映画ファンが喜んでいるのはスクリーンの中の貞子や殺人人形を喜んでいるのと同じであって、そりゃいくらコアなホラー映画ファンであったとしても、例えば貞子と一緒に住みたいとか殺人人形に家中追いかけ回されて殺されるスリルを楽しみたいという人が稀有であるのと同じ事である。

いや、雑誌ムーならば事故物件に住みたがる人や世界中の謎の呪物人形と一緒に暮らしてニマニマしている人の記事も出るだろうが、そういうのはアレなのである。

それなのに、今の日本のサヨクさんやフェミさんはそういう事故物件に他人を住まわせようと必死になっている人が珍しくはないわけである。それも自分が事故物件に住んでそこにいる怨霊の祟りを受けたいというわけでもないようである。恐らくは自分たちは幸せな暮らしをしたい様子なのである。代わりに無名の誰か、小市民を地獄に突き落としたり無理やり事故物件に住まわせて怨霊の祟りにあわせたいということのようである。

それもかつてはもっと無邪気にネトウヨや極右はアウシュビッツの収容所に自発的に入ってチクロンBを自発的に吸い込んで機嫌良くあの世に行ってくださいと、ヒトラーも真っ青なことを言っていたわけである。いや、ヒトラーもさすがにアウシュビッツに行って自発的に最終処分されてくださいなどという無茶は言わなかった。彼らはアウシュビッツ強制収容所の入り口には「労働は自由にする」という欺瞞を掲げるくらいの知恵は持ち合わせていたのである。

確かに右派の中にはQアノンの残党や余命の残党のように狂ったことを言う人は珍しくないのである。しかし幸いなことに多くの人はその主張が狂っていることを認識できるのである。

けれども左派リベラルは注意しないと一見まともそうに狂気の主張をしてくるわけである。

今のサヨク様はもう忘れてしまったかもしれないが、かつての戦後派左翼さんは軍国主義者をパージしていただいた御恩と奉公という関係性かGHQの出した「富国強兵、殖産興業」の禁止、「産めよ増やせよ」の禁止を大真面目に主張していたわけである。そういう左翼さんが「反米」とか言い出しているのである。もう茶番の程度は臍で茶を沸かすレベルなんである。

そういう左翼さん達であるから戦後に流布された人口大爆発の思想を今に受け継いでいるということかもしれない。平成17年の1.26ショックまでは人口学者達も大真面目に産児制限を主張していたわけである。おそらくはそういう思想の成れの果てが「結婚を自由に」という左翼運動であろうと思う。それでも内田樹氏などは2015年頃の20代男性の未婚率70%で多分、そういう左翼運動からは離れたのではないかと思う。結婚と子供は別!と騒いでいた慶應大の某元教授氏も昨今の少子化、出生数70万人台到達でさすがに恐慌を来して「若者よ、子供を産むのだ!」とかツイートしていたと思うのでまあ、左翼というのは信念のない人たちなのである。

ただ、この急激な少子化で少子化対策にお金が使われることに真に恐怖を感じたのはおそらくは高齢者達である。彼らは「子育て費用など不要。そんな金があれば高齢者支援に回せ!」と言ってきたわけである。そんな彼らにしてみれば少子化対策に回す金は惜しい。そんな金は高齢者に回せと言いたいわけである。そして彼らは「人口3000万人で何が問題なのか!」と騒ぎ出したわけである。将来の国のことなど考えるなよ。それより今可哀想な老人達を救うべき。そのためなら若者にもっと負担して貰えばいい。そんなに取られたら子供を育てられませんだと?それは甘えだ。我々老人は若い頃もっと苦労したのだ!という主張である。

老人達に迎合している野党が「消費税廃止」を叫ぶのも、消費税であれば収入の少ない年金生活の高齢者も税金を支払わなくてはならず、そうなるとそれまで貯めた虎の子の貯金を取り崩さなければならなくなるという恐怖が背景にあるということであろう。それなら消費税をやめて所得税を大増税したら収入の少ない老人にとっては有利であるわけである。若者は生活できなくなるかもしれないがそんなことは無視である。野党も若者には泣いてもらっても老人票を得られれば政治勢力が拡大できるかもしれないという切所である。将来の種籾を老人に振る舞おうとしているわけである。

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