見出し画像

北海道がライブの鬼門、と呼ばれる理由を考える

以前から脈々と言い伝えられる話として【北海道はライブの鬼門】というのがあります。
これが実のところ都市伝説とかじゃなくて、実際に鬼門だ!としか言えないほどにチケットが売れないというのです。

SMAPでも「売れない」認識とは

ちなみに先日、話題になってた岡崎体育くんのライブは2024年4月21日、日曜17:00〜19:00でした。

初めて見た時の衝撃ったらもう

ほぼ1か月で715枚売り切った岡崎体育くんカッコいい…!!!

もう満員御礼にしか見えない


そして、この状況にとても近いのがこちら。

同意しすぎて首もげるわ

ほんとこれ。
札幌ライブで日曜の夜って、相当エグい日程なんですよ。
それは「札幌市以外の道民にとって、学校や仕事を休まならねばならない」から。

北海道の人口は2022年で522万人。
そのうち札幌市の人口は197万人。
単純計算ですが、325万人は札幌市以外に住んでいます。

もちろん、札幌市民197万人は19:00終了ならその日のうちに自宅に帰れます。

が。

ここでいくつか例をあげましょう。

【ex.函館市民】
移動距離:311.0km(高速道路利用時)車で約4時間16分
公共交通機関:深夜バス(0:00〜5:30)のみ

【ex.釧路市民】
移動距離:301.5km 車で約4時間21分
公共交通機関:深夜バス(23:35〜5:20)のみ

【ex.稚内市民】
移動距離:327.9km 車で約5時間20分
公共交通機関:当日発車の公共交通機関はなし(最速で翌朝)

てことで。
運良く公共交通機関があったとしても深夜バスで到着は早朝、そもそも夜が更けると公共交通機関が無いケースもあります。
というか「夜は公共交通機関がない」というケースはかなり多い気がします。
基幹路線から外れると「バスは1日数回」みたいな場所がメチャクチャ多いですから。
そういう場合、学生さんが動く夕方を越えたら公共交通機関は営業終了です。
とにかく絶望的に交通の便が悪い北海道あるある。
(それ故に自家用車ってことになりますが、夜中の国道はキタキツネにエゾシカにタヌキにヒグマがいつ飛び出すか分からない難易度高めコースがデフォルトです)
それどころかNAVITIMEで検索したら普通に「飛行機」をオススメされましたよ。
地続きとは一体。


てことで、北海道の地方民はごく当たり前に宿泊を考えます。
移動数百キロの交通費と、宿泊費、そして外食に土産代、そこを越えてチケット代と推しへの課金です。
ライブへの経費を四捨五入したら、二桁万円は確実です。

そのうえで更に学校とか仕事を休む必要性が出てくると、もうお手上げです。
なのでそもそも日曜日ライブへの参加はかなり厳しいのだと思います。

ここまで来ると事故でしかない案件
(札幌雪まつり開催中+QUEENの札幌ドームライブにGLAYがゲスト出演、BE:FIRSTはきたえ〜るライブ、旧正月で海外から観光客爆増のためホテルの宿泊価格も航空券代も高騰!という近年稀に見るスペシャルコンボ発動の中でヤバイTシャツ屋さんZeppSapporoライブでした)
土曜開催だけど、これほど積むとさすがに厳しい。

「残りわずか」感

余っているチケットは「割と現実的な数」らしいですw

これを完売させたヤバTさんはマジで凄いと思う

本当に拍手喝采ですよもう  


あと、これ以外の要因として。
そもそも圏域人口が違いすぎるのです。
ここも例をあげましょう。

【ex.名古屋】
Zepp Nagoya収容数:1,792人
広域中京圏人口:1,130万人

【ex.福岡】
Zepp Fukuoka収容数:1,526人
九州人口:1,306万人

【ex.札幌】
Zepp Sapporo収容数:2,009人
北海道人口:522万人 ※うち札幌市197万人

札幌め、箱は大きいのに人口が半分て。
そんなん厳しいに決まってるだろうよ!!!w


大澤会長のお言葉が沁みる


それに加えるなら、北海道がだだっ広くて移動手段が絶望的なことの他に「札幌市でさえも生産年齢人口減、社会的増加数減」というのもありそうです。
生産年齢人口ってのは「働き盛りな人の数」、社会的増減ってのは「転入・転出の数」です。
そして高齢化も進んでいるので、北海道イチ大きい都市と言いつつも勢いは弱まっているのが現状です。

https://www.dbj.jp/upload/docs/hokkaido0909_01.pdf

ちょっと難しい話で2009年のレポートですが、なかなか興味深い内容

こんなこと言ってる私もアラフィフと呼ばれる世代です。
スタンディングのライブには、少々ためらいが生まれます。
足とか膝とか腰とかさー、いろいろ抱えちゃうんですよー。
大人の階段登るのって大変なんですからw

これはあくまで私の私見ですが、やっぱり歳を重ねるとこういう話も多く聞きます。
故にZeppのスタンディングは実のところハードルが相当高めです。
いや、源さんがZeppでやるとなれば行きますけどね?
たぶん痛み止めの薬とか持ってでも行くと思います。

改めて源さんが5大ドーム全て埋めたのは凄まじいことだったんだな



よく「道民は芸術に金をかけない」とか「ライブを見る文化がない」とか言われますが。
金をかければ超高額、見たくても高いハードルだらけでは実際厳しいんですよねえ。
とかく距離の問題ばかりは、どうにも埋められません。


とはいえ、運営側としても本当に大変だと思います。
機材も大道具もぜーんぶ海を超えて運び込んで、ただでさえ少ない人口の中からスタッフも雇って。
当然、演者さんたちは飛行機移動がメインでしょう。
(新幹線もまだ札幌までは延伸してませんから)
フェリーでトラック運んだとしても札幌までは自走、あのわくわく動物ランド状態の道を走り抜けなければなりません。
夏場はいいけど、冬場は吹雪や降雪とも戦う必要があります。

それだけリスクを抱えて公演を企画して。
チケットの売れ行きが微妙だったら…ってことで。

そりゃあ、どう考えたって北海道のリスクは大きすぎますよ。

それでも北海道でライブを企画してくれる運営さんには、本当に感謝しかありません。
赤字覚悟で来ることだってあるでしょうから。
その心意気にたくさんの道民が救われているはずです。
ありがとう、本当にありがとう!!!

ここまで語ってなお、私はこの話の打開策を見つけられません。
本当にたくさんの問題が絡み合う話なので、解決するのは簡単ではないと思います。

ただひとつ、本当にワガママを言うならば。


日曜日開催はぜひ避けて欲しい!!!

あと、パイプ椅子でいいから座らせてー!!!



土曜日なら頑張れることもあるはずなんです。
特に道内の地方民は、それだけで動きようが変わります。
行きたい、けど行けない。
そんな悲しい事態を回避するためにも、ぜひぜひ運営さんには「できるだけ土曜日開催」を願うばかりです。
私も行けるライブは頑張って足を運ぼうと思います。

そして椅子ですよ。
きっとご年配の方にとっては希望の光です。
来場者の年齢層を広げることは、きっと集客力にもつながると思うのです。
もうパイプ椅子じゃなくてもいいから、アウトドア用の折りたたみ椅子でもいいから。
それか壁側周辺にパイプ椅子置いといて「疲れたら座ってね」とかでもいいから。
もう実際のところ少子高齢化が進みまくってるのは確かなので、年齢層高めの方をも巻き込む方策はあってもいいのかなあと思うのです。

てことで、ひとつ言わせてもらうといいながら2つお願いするスタイルです。

みんなが楽しめる北海道に、少しでも近づくことを願ってます。
願わくば見たい人が参加できて、運営さんがしっかり儲けられるシステムの構築ができて欲しいと切に願うばかりです。
どうか道民にエンタメを!
そして運営さんに安心を!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?