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作り人は苦労する 第11回 我慢しろよ

 語り手(創造者):私
 聞き手:藤井尚枝(ふじいひさえ)さん。(架空の人物です)

 藤井:みなさん、ごきげんいかがでしょうか。ツクックです。

 私:・・・

 藤井:語り手は文字でもわかるように相当の思考停止に陥っているようです。

 私:・・・

 藤井:まだ11回目にして、もうこんな体たらくですか。あなたにはもうちょっと、いろんなことに耐えうるべく、我慢というものを身に着けるべきではないかと思うのです。

 私:我慢ですか?

 藤井:あなたは我慢が足りないから、ちょっとしたことを見ただけでショックを受けて、思考停止になる頻度が大きいのです。違いますか?

 私:我慢が足りなくて何が悪い・・・

 藤井:悪いに決まっているじゃないですか。あなたが我慢していない分、そのあおりで我慢しなきゃいけない他の人々がどれだけいると思っているんですか。その人たちのことを考えたことがあるんですか。
 そもそもあなたは他の人も生きているということを時々忘れて、傍若無人に振る舞うことが多々あります。これまでよくコテンパンにされないで済みましたね。

 私:そういうことを言われても、すぐに大変なことにならないように、思考停止しているんですよ。思考停止も我慢の方法の一つなんです。

 藤井:思考停止は我慢しているのとは全然違います。考えないのは目前に迫っている出来事から逃げているだけです。私にはそうとしか思えません。
 あなたは普段から無駄に考えるのが好きで、妄想まで膨らますことがよくあるのに、ほんのちょっとした出来事で、まるで180度変わったように何も考えなくなることがあります。

 私:私にだって集中している時ぐらいありま・・・

 藤井:何が集中しているですか。何も考えていない時に限って、体も動いていない。それこそ時間を無駄に過ごしている。そういう生き方をしながら、企業でやりくりしようと画策したから、あなたはかつての企業を解雇されたのです。

 私:はった・・・

 藤井:発達障害を免罪符にすることも認めません。そんなことをしたら、他に努力している発達障害者の方々に失礼です。
 
 私:・・・

 藤井:でも、私って、あなた自身があなたを客観的に見るために想定されたアバター的な存在ですよね。なんだか、自分に自分の分身から誹謗中傷に近い言葉を浴びせるのって、むなしくなりませんか?

 私:私は別に構わないんですけどね。これを見ている人がいわゆるMUNAKUSOにならないかは心配していますよ。

 藤井:もうちょっと明るい方向に話題が進めればいいんですけどね。あなたがあなただから。そろそろツクックをお開きにしましょう。

 私:ありがとうございました。

 (了)

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